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【徹底解説】渋谷「改良湯」完全ガイド|リノベーションで進化を遂げた老舗の大人気銭湯

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渋谷と恵比寿の間に位置する人気のリノベ銭湯「改良湯」をご存知でしょうか?

大正5年(1916年)創業という100年以上の歴史を持ちながら、2018年末には銭湯建築士・今井健太郎氏監修のもと大規模リニューアルを実施。伝統的な銭湯文化と現代的なサウナ設備を融合させた「渋谷CROSSING」というコンセプトが評判を呼び、サウナイキタイ上位常連の人気施設となっています。

本記事では、サウナ愛好家が実際に足を運んだ改良湯の魅力を詳細にレポート。100度の高温サウナとオートロウリュ、12度の軟水を使用した水風呂、そして都会の喧騒を忘れさせる静かな外気浴スペースでの「ととのい」体験まで、リアルな視点でお伝えします。

目次
  1. 改良湯へ行くきっかけ
  2. 渋谷から改良湯へのアクセス
  3. クジラ壁画と昭和と令和の融合
  4. 受付と脱衣所:整然とシックな空間デザイン
  5. 浴室へ:銭湯のルールとマナーを守りながら
  6. サウナ室:遠赤外線の温もりに包まれて
  7. アウフグース:スタッフによる熱波パフォーマンス
  8. 水風呂:キンキンに冷えた12度の極楽
  9. 外気浴スペース:都会の中の「ととのい」タイム
  10. 中温風呂と炭酸泉
  11. 温冷交代浴:サウナ→水風呂→外気浴のループ
  12. 銭湯文化の新解釈:改良湯のコンセプト考察
  13. サウナグッズと銭湯アイテム:お土産コーナー
  14. 周辺施設とサ飯スポット
  15. 帰路での余韻:心身ともにリフレッシュした状態で
  16. 改良湯の良いところ:料金とクオリティのバランス
  17. 改良湯の改善点:人気ゆえの混雑問題
  18. 改良湯の進化:リニューアル前後の比較
  19. 改良湯とサウナブーム:人気の理由を考察
  20. サウナ愛好家からみた改良湯:客観的評価
  21. 男女別の入浴体験:ジェンダー視点での違い
  22. 改良湯のスタッフたち:熱波師の技術と接客
  23. 季節ごとの改良湯の楽しみ方:年間通しての魅力
  24. 最終評価:リピート確定の渋谷サウナスポット
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改良湯へ行くきっかけ

リニューアルしたという噂の改良湯。久しぶりに訪れてみた理由と、以前との違いを探るサウナー心理について綴ります。

サウナイキタイ上位の老舗銭湯「改良湯」の噂

最近、会社の同僚がやたらと「改良湯」の話をするんですよね。「サウナイキタイ」でも上位にランクインしているらしく、「行かないと損するよ、大塚さん!」と毎日のように言われていました。実は3年ほど前に一度行ったことがあるんですが、その後リニューアルしたという話を聞いて、どう変わったのか気になっていたんです。
前に行った時は普通の銭湯って感じだったのに、今では「渋谷CROSSING」なんてコンセプトも掲げて、かなり雰囲気が変わったらしい。サウナー仲間のSNSでも「改良湯の水風呂が進化した」とか「アウフグースが最高」みたいな投稿がチラホラ。
これは行くしかない!ってことで、ある平日の夕方、思い切って足を運んでみることにしました。どんな風に変わったのか、ワクワクしながら向かいました。

仕事の疲れを癒す、渋谷の隠れ家サウナ探し

会社で企画書の締め切りが続いていて、正直心も体もヘトヘト状態でした。そんな時こそ、良質なサウナで汗を流すのが一番です。でも都内のサウナって週末は混雑するし、平日の夕方でも有名どころはかなり込み合いますよね。
そこで思い出したのが、渋谷の隠れ家的な存在の「改良湯」。銭湯なのに本格的なサウナがあるという噂を以前から聞いていました。しかも最近リニューアルしたとか。
「明日は少し早めに仕事を切り上げて行ってみようかな」と、スマホでアクセス方法をチェック。渋谷駅から12分、恵比寿駅からも同じくらい。ちょうど両駅の間くらいにあるんですね。なんだか穴場感がありそうで、疲れた心と体を癒せる予感がしました。

リニューアル前後の違いを確かめたい

実は3年前に一度だけ改良湯に行ったことがあるんです。その時はまだリニューアル前で、どちらかというと昔ながらの銭湯という印象でした。でも今回は2018年末のリニューアル後の姿を見るのが楽しみ。
前回訪れた時のことを思い出すと、サウナは確かにありましたが、今ほど「サウナ文化」が盛り上がっていなかった時期。ただ汗を流す場所というだけでした。でも噂によると、今の改良湯は本格的なフィンランド式サウナになっていて、外気浴スペースまであるとか。
あと、確か外壁に大きなクジラの絵があった気がするけど、それは残っているのかな?リニューアル前と後で何がどう変わったのか、サウナー心理としては比較したくなるんですよね。きっと新しい発見があるはず!

渋谷から改良湯へのアクセス

渋谷でも恵比寿でもない、ちょうど間にある改良湯へのアクセス方法と、歩いていく途中の風景について紹介します。

渋谷駅から歩く12分の道のりと名物クジラ看板

会社から出発して渋谷駅を目指し、そこから改良湯まで歩くことにしました。駅に着いたら新南口へ。ここからが本当の旅のスタートです。スマホの地図アプリを頼りに明治通りを恵比寿方面へ歩き始めました。
渋谷と言えど、駅から少し離れると意外と静かな住宅街に。10分くらい歩くと、路地の奥に見えてきたのが大きなクジラの壁画!これが改良湯の目印なんですね。前回来た時よりもクジラの色が鮮やかになった気がします。
「あれ、道を間違えたかな?」と何度か不安になりながらも、結局渋谷駅から12分ほどで到着。思ったより近かったです。渋谷駅も恵比寿駅も中間地点だからか、どっちつかずの静かなエリアにあるんですね。銭湯の前には自転車が何台も停まっていて、地元の人に愛されている様子が伝わってきました。

オフィス街から抜け出す平日夕方のサウナ散歩

今日はちょっと早めに会社を出ることにしました。17時半に退社して、オフィス街を抜けながら渋谷駅へ。平日の夕方ですが、意外と人は多くないです。サウナバッグを持って歩いていると、同じ目的地に向かっているサラリーマンとすれ違ったりして、なんだか仲間意識が芽生えますね。
渋谷駅からはヒカリエ方面へ出て、明治通りを恵比寿方向に歩き始めました。オフィス街から住宅街へと景色が変わっていくのが面白いです。仕事の疲れを忘れて、これからの「ととのい」時間を想像しながら歩くのは結構楽しい。
歩いていると、渋谷の喧騒が徐々に遠ざかっていくのを感じます。「あ、そういえばあのラーメン屋おいしかったな」なんて思い出しながら、マイペースに進んでいくと、気づいたらもう改良湯の前に到着していました。サウナ前の散歩って、心の準備にもなって良いですね。

恵比寿駅からの近道ルートと住宅街の風景

実は改良湯は恵比寿駅からも同じくらいの距離なんです。恵比寿駅西口から出ると、代官山方面への住宅街を抜ける近道ルートがあるらしい。今度は恵比寿からのルートも試してみたいですね。
恵比寿からのルートは静かな住宅街を通るので、渋谷からのルートよりも落ち着いた雰囲気だとか。おしゃれなカフェや小さな雑貨屋さんも点在していて、散策も楽しめそうです。地図を見ると、恵比寿駅から出て西側の住宅街を北上する感じみたいですね。
でも今日は渋谷からのルートで。ふと上を見ると、住宅街の中にマンションや古い木造アパートが混在しているのが面白いです。新旧入り混じった街並みを歩きながら、「改良湯」という名前の由来は何だろう?なんて考えていたら、いつの間にか到着していました。恵比寿と渋谷の間にある銭湯、行き方を覚えておくと便利そうです。

クジラ壁画と昭和と令和の融合

ついに到着した改良湯の外観は、クジラ壁画が目印の独特なデザイン。昭和の銭湯の雰囲気を残しながらも、現代的なセンスが光る外観について紹介します。

初見でも見つけやすい「クジラ」が目印の入口

ようやく改良湯に到着しました。道路から少し奥まったところに建っていて、最初はどこかわからなかったんですが、あの巨大なクジラの壁画を見つけた瞬間「あった!」と安心しました。前回来た時よりも色が鮮やかになっていて、かなり目立ちます。これは初めてでも迷わないはずです。
入口に近づくと「営業中」のサインが出ていて、ほっと一安心。銭湯って定休日があるので、事前にチェックしておくのが大事ですよね。改良湯は土曜休みなんだそうです。
入口の前には自転車がいくつか停められていて、地元の人たちが日常的に使っている様子がうかがえます。創業1916年と書かれた看板を見て、100年以上の歴史があることにも驚き。私、こんな歴史ある場所でサウナに入れるなんて、なんだか贅沢な気分です。

伝統とモダンが融合した外観デザイン

建物に近づくと、改良湯の外観がよりはっきりと見えてきました。昔ながらの銭湯の雰囲気を残しつつも、リニューアルによって現代的なデザイン要素が取り入れられているんですね。
なんといっても目を引くのは巨大なクジラの壁画。これ、壁画師のemi tanajiさんという方が描いたそうです。前回来た時のクジラよりも色鮮やかになっていて、パッと見の印象が全然違います。クジラが泳ぐ青い海のような壁面デザインは、中に入る前から心が洗われるような感じ。
建物自体は古い銭湯の佇まいを残しつつも、入口周りはモダンにリニューアルされていて、なんとも言えない昭和と令和の融合感があります。地味に嬉しいのは、自転車置き場がきちんと整備されていること。都会の狭いスペースを有効活用しているんですね。

入店前に感じる「渋谷CROSSING」のコンセプト

入口に立つと、改良湯が掲げる「渋谷CROSSING」というコンセプトの意味が少し理解できた気がします。渋谷という多様な人々が行き交う街にあって、この銭湯も様々な文化や人が交差する場所になっているんですね。
入口の小さな案内板には、「人・文化が交差する銭湯」というキャッチフレーズが。確かに、外を見ると若いサラリーマンからお年寄りまで、様々な年齢層の方が出入りしています。外国人観光客らしき方も見かけました。銭湯という日本の伝統文化が、国境を越えて楽しまれているのを見るのは新鮮です。
入店前にちょっと深呼吸。「よし、入るぞ!」と気合を入れたところで、ふと気づきました。改良湯という名前には、「常に良くしていこう」という思いが込められているそうです。100年以上の歴史がありながら進化し続ける姿勢、素敵ですね。

受付と脱衣所:整然とシックな空間デザイン

いよいよ改良湯の内部へ。受付でのやりとりから脱衣所までの第一印象を紹介します。特に黒を基調とした内装のスタイリッシュさが印象的でした。

丁寧なスタッフ対応とサウナバンドの受け取り

入口から中に入ると、すぐにカウンターがあります。受付のお兄さんがニコッと笑顔で迎えてくれました。「いらっしゃいませ、入浴のみですか?サウナもご利用されますか?」と丁寧に聞いてくれます。
「サウナも利用します!」と答えると、大人入浴料520円にサウナ利用料450円を追加で支払いました。合計970円。都内のサウナとしては良心的な価格設定ですね。タオルを持参したので追加料金はなし。持ってない場合は120円でレンタルできるみたいです。
支払いを済ませると、ロッカーキーと一緒にピンク色のシリコン製のサウナバンドをもらいました。これをつけていると、サウナ利用者だということがわかるんですね。前回来た時はオレンジ色だった気がするので、リニューアルで変わったのかな?小さなことですが、なんだか新鮮な気分です。「お風呂とサウナをごゆっくりお楽しみください」というスタッフさんの言葉に、早くサウナに入りたい気持ちが高まります。

黒を基調としたスタイリッシュな脱衣所空間

受付を済ませて脱衣所に入ると、そこは予想以上にオシャレな空間が広がっていました!前回来た時とは全く印象が違います。黒を基調としたシックな内装で、間接照明がモダンな雰囲気を作り出しています。まるで高級スパにでも来たような感覚です。
広々としたロッカースペースは整然と並び、どこかミニマルなデザインが心地よい。ロッカーも以前より大きくなったような気がします。スーツが余裕で入るサイズなので、ビジネスマンにも使いやすそう。
脱衣所には大きな鏡と仕切り付きのドレッサーも設置されていて、整った髪型で帰れるのがありがたいです。ドライヤーは3分20円の有料ですが、風力も十分で使いやすそう。あと、無料のヘアアイロンもあるみたい!これはうれしいサービスですね。銭湯なのにここまで設備が整っているなんて、本当にリニューアルの効果を感じます。

リニューアル前と比べて広くなった更衣スペース

3年前に来た時と比べると、更衣スペースが広くなったような気がします。前はちょっと狭くて、混雑時には人とぶつかりそうになったことがあったんですが、今回はゆったりと着替えられる空間になっていました。
リニューアル前は典型的な銭湯の脱衣所という感じでしたが、今はデザイン性が格段にアップしています。特に照明の工夫が素晴らしくて、程よい明るさが落ち着いた雰囲気を演出しています。
脱衣所のベンチも新しくなっていて、座り心地も良さそう。サウナ後に「ととのう」ためのスペースとしても使えるようになっていました。内気浴派には嬉しいポイントです。
それから気づいたのが、男女の仕切りの暖簾が青と赤ではなく、グレーとパープルになっていること。こういった細部のデザインの変更も、全体の雰囲気をモダンにしていて、「銭湯なのに洗練されている」という不思議な魅力を作り出しているんですね。

浴室へ:銭湯のルールとマナーを守りながら

脱衣所から浴室へ。銭湯ならではのルールやマナーを守りながら、いよいよお風呂ゾーンに突入します。

初めての人にもわかりやすい浴室レイアウト

脱衣所から暖簾をくぐって浴室に入ると、そこは青い間接照明に照らされた幻想的な空間が広がっていました。天井は高めで開放感があります。最初は薄暗くて「あれ?」と思いましたが、すぐに目が慣れてきました。
浴室のレイアウトはとてもシンプルで分かりやすいです。左側に洗い場があり、奥には浴槽が2種類、そして右側にサウナと水風呂が配置されています。初めて来た人でも迷わない設計になっているんですね。
壁には銭湯らしいアートが描かれていますが、従来の富士山ではなく、現代的な解釈のデザインになっています。天井の近くには「渋谷クロッシング」をイメージしたという壁画もあり、渋谷という土地柄を意識したアートワークが印象的です。
浴室全体のカラーは落ち着いたトーンで統一されていて、気持ちが自然と落ち着いてきます。「さあ、まずは体を洗おう」とカランの前に座りました。

落ち着いた照明が作り出す癒しの空間演出

浴室内は全体的に薄暗めの照明で、リラックスできる雰囲気になっています。天井からの青い間接照明が水面に反射して、幻想的な雰囲気を作り出しているんです。これ、ただの銭湯じゃないなって思いました。
湯気と青い光のコラボレーションが、まるで異世界に迷い込んだような感覚を与えてくれます。日常から切り離された特別な空間という感じがして、仕事のストレスが少しずつ溶けていくのがわかります。
もうひとつ気づいたのが、瞑想的なBGMが小さな音量で流れていること。前回来た時にはなかった気がします。これも癒し効果を高めているんでしょうね。
照明の強さも場所によって微妙に変えてあって、洗い場は少し明るめ浴槽エリアは落ち着いた明るさになっています。こういう細かい配慮が、利用者の快適さにつながっているんだなと感心しました。リニューアルで一番変わったのは、この照明による空間演出かもしれません。

銭湯サウナの正しい入り方と周りへの配慮

浴室に入ったら、まずは銭湯のマナーを思い出します。最初に体を洗ってから浴槽やサウナに入るというのは基本中の基本ですね。カランに座って、シャンプーとボディソープを使って丁寧に洗います。備え付けのシャンプーとボディソープがあるのは嬉しいですね。
周りを見渡すと、みなさん静かに入浴を楽しんでいます。改良湯では「完全黙浴」が徹底されているみたいで、会話をしている人はほとんどいません。これは集中してサウナを楽しめる良い環境だなと思いました。
あと、気をつけたいのがサウナマットの使い方。サウナ室に入る前に、入口にあるマットを一枚取って、自分の座る場所に敷きます。これは衛生面と、熱いベンチから身体を守るためですね。
そして、浴室内での写真撮影は厳禁。当たり前ですが、銭湯はみんなのリラックス空間なので、他のお客さんの迷惑になる行為は慎みましょう。こういったマナーを守ることで、みんなが気持ちよく利用できる環境が維持されているんですね。

サウナ室:遠赤外線の温もりに包まれて

いよいよサウナ室へ突入。高温のサウナで遠赤外線の温もりに包まれる体験を紹介します。

100度の高温サウナ

体を洗い終えて、いよいよサウナ室へ向かいます。ドアを開けると、熱波が顔に押し寄せてきました。温度計を見ると、なんと100度!これは本格的な高温サウナです。
サウナマットを一枚取って、とりあえず下段に座ります。上段にも座りたいところですが、最初は様子見ですね。部屋の中央には大きなサウナストーブがあり、その周りに2段のベンチが配置されています。ベンチはL字型になっていて、最大15人くらいは入れそうな広さです。
座ってしばらくすると、じわじわとが出てきました。高温サウナなのに不思議と息苦しさはなく、じっくりと体が温まっていく感じ。これは気持ちいい!前回来た時より温度設定が高くなっている気がします。遠赤外線の効果なのか、芯から温まる感じがして、日々の疲れが溶けていくようです。
5分ほど経過すると、もう全身汗だく状態に。「あぁ、こんなに汗をかくなんて久しぶり」と思いながら、心地よい熱さを堪能します。

渋谷の喧騒を忘れる薄暗いサウナ室の瞑想的時間

サウナ室内は薄暗い照明で、ストーブ周辺だけが赤く照らされています。この雰囲気がまた良いんです。視覚情報が少ないので、自然と内側に意識が向くような感覚になります。
サウナ室内では小さな音量でヒーリング系のBGMが流れていて、より瞑想的な雰囲気を作り出しています。以前来た時にはなかった要素ですね。周りの人も静かに汗を流しているだけで、まるで暗黙の了解のように完全な黙浴状態です。
8分くらい経った頃には、もう頭の中が空っぽになってきました。渋谷にいることも、仕事のことも、全部忘れて、ただ「今、ここ」にいることだけに集中しています。これぞサウナの瞑想効果ですね。
目を閉じて深呼吸をしていると、なんだか時間の感覚がなくなってきます。もうどれくらい入っているのかわからなくなってきましたが、体が「そろそろ出よう」と教えてくれる瞬間があります。その声に従って、心地よい熱さに別れを告げることにします。

オートロウリュで熱波が押し寄せる瞬間の興奮

サウナに座っていると、突然「シュッ」という音とともに、サウナストーンに水がかかる音が!そうか、これが噂のオートロウリュなんですね。時間になると自動的にロウリュ(サウナストーンに水をかける)が行われるシステムです。
一瞬の静寂の後、熱波が一気に押し寄せてきました。うわ、これは熱い!でも気持ちいい!体中の毛穴が一気に開いて、汗が噴き出してくる感覚です。サウナストーンが赤く照らされて、まるで小さな火山が噴火したような光景になります。
興味深いのは、オートロウリュが3回に分けて行われること。1回目でも「熱いなぁ」と思うのに、2回目、3回目と続くと、室内はどんどん湿度が上がっていきます。この湿度の高まりが、じっとりとした心地よい汗を引き出してくれるんです。
オートロウリュは20分おきに行われるらしく、運よく入室した直後に体験できました。この熱波を待ってサウナ室に入るタイミングを計るサウナーもいるとか。その気持ち、よくわかります。こんな本格的なロウリュ体験ができるなんて、銭湯サウナの進化を感じます。

アウフグース:スタッフによる熱波パフォーマンス

運良く遭遇したアウフグース。スタッフによる熱波パフォーマンスは、改良湯ならではの貴重な体験でした。

偶然出会えたゲリラアウフグースの幸運

2セット目のサウナに入ろうとしたとき、突然サウナ室から音楽が漏れてきました。何事かと思って覗いてみると、サウナ室内にスタッフらしき人が入っていて、何やら準備をしています。
「もしかして、これが噂のゲリラアウフグース?」と思ったら、まさにその通り!事前告知なしで不定期に行われるスタッフによる熱波サービスに、運よく遭遇してしまったんです。これは超ラッキー!
サウナ室前には少し列ができ始めていました。どうやら常連さんは音楽が聞こえた時点で「アウフグースが始まる」と察知するようです。5分後にアウフグース始まりますというアナウンスがあり、ワクワクしながら待機。
時間になり、サウナ室に入ると、いつもと違う高揚感が漂っています。スタッフの方が「アウフグースを行います、途中退出もOKです」と説明してくれました。この偶然の出会いに、なんだか運命を感じてしまいます。

タオルを巧みに操るスタッフの熱波テクニック

アウフグースが始まると、まずスタッフの方がサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させました。それだけでも十分熱いのに、次の瞬間、驚くべきパフォーマンスが始まったんです。
スタッフの方が大きなタオルを頭上で回し始めました。タオルがプロペラのように回り、熱い空気が室内全体に均等に行き渡っていきます。これが「タオル捌き」というテクニックなんですね!以前テレビで見たことはありましたが、実際に体験するのは初めてです。
タオルが生み出す風と熱波のコンビネーションがたまりません。スタッフの方の動きはリズミカルで、まるでダンスを見ているような美しさがあります。限られた狭いスペースの中で、これだけ巧みにタオルを操るのは相当な練習が必要そうです。
最も驚いたのは、途中から複数のタオルを同時に操るテクニック。さらには投げ技のようにタオルを放り投げて受け止めるパフォーマンスまで。サウナ室内からは思わず「おおー!」という声が上がりました。

アロマオイルが香る高湿度サウナの魅力

アウフグースのもう一つの魅力は、アロマオイルの使用です。スタッフの方が「今日はマウンテンハーブのアロマを使用します」と説明してくれました。
ロウリュの際にサウナストーンに水と一緒にアロマオイルを垂らすと、部屋中に爽やかな香りが広がります。通常のサウナとは全く違う体験で、嗅覚も刺激されるのが新鮮です。
タオル捌きの後半では、スタッフの方がブロワーという送風機のような道具も使い始めました。ブロワーで熱波を直接送ってくれるのですが、これがまた強烈!タオルよりも直接的な熱波が体に当たり、「うわっ!熱い!でも気持ちいい!」という複雑な感覚が押し寄せてきます。
アウフグースが終わる頃には、サウナ室内の湿度は極限まで高まり、まるで蒸し風呂のような状態に。汗の量も通常の何倍も出ている気がします。「これは確実に毒素が流れ出ている」という実感があって、日頃のデスクワークの疲れが洗い流されていくようでした。

水風呂:キンキンに冷えた12度の極楽

熱いサウナの後は、冷たい水風呂でクールダウン。その気持ち良さと、水風呂で感じる「あまみ」の不思議な感覚について紹介します。

サウナ後の水風呂15度の絶妙な温度設定

熱々のサウナ室から出ると、次は水風呂の番です。改良湯の水風呂は、サウナ室のすぐ隣にあって動線がとても良いんです。
水風呂に足を入れた瞬間、「うっ、冷たい!」と思わず声が出そうになりました。温度計を見ると12度。これはかなり本格的な冷たさです。少しずつ体を慣らしながら、徐々に肩まで浸かっていきます。
最初は冷たすぎて「無理かも…」と思いましたが、サウナで温まった体には絶妙な冷たさ。むしろ心地よいと感じるから不思議です。サウナと水風呂の温度差がちょうど良いバランスになっているんですね。
水風呂は深さもちょうど良く、座ると首までつかることができます。大きさも4〜5人は同時に入れるサイズで、混雑していても利用しやすい設計になっています。「これは考えられてるな」と感心しながら、全身の熱を冷ましていきました。

軟水が肌に優しい温泉並みの水質体験

改良湯の水風呂のもう一つの特徴は、軟水を使用していること。普通の水風呂だと冷たさのあまり肌がピリピリすることがありますが、ここの水風呂は冷たいのに肌触りが優しいんです。
軟水は石鹸やシャンプーの泡立ちも良く、肌への刺激も少ないそう。確かに入っていると、冷たさはあってもどこか柔らかな感触があります。水風呂に入っていると「これ、温泉の水質に近いな」と思ったほどです。
水風呂の水質について、スタッフの方に後で聞いてみたら「美人の湯と呼ばれるナトリウム温泉に近いイオンバランスになっている」とのこと。なるほど、だから肌当たりが優しいんですね。
特にアウフグース後の水風呂は最高でした。なんでもアウフグース後には氷を入れているそうで、より一層冷たくなっているそう。でも不思議と心地よく感じられるのは、水質の良さのおかげなんでしょうね。こだわりを感じます。

水風呂で体験する「あまみ」の不思議な感覚

水風呂に浸かって1分ほど経った頃、不思議な現象が起こり始めました。腕と膝のあたりに小さな水玉のような粒が浮き出てきたんです。これが噂の「あまみ」!
あまみとは、サウナで温まった体が水風呂で急速に冷やされる際に、汗腺が一時的に閉じることで発生する現象だそうです。体表面に水滴のような粒が浮き出て、まるで蜂の巣状になることから「ハニカム現象」とも呼ばれているとか。
「おお、出てる出てる!」と一人で興奮していると、隣にいた常連らしき方が「いいあまみですね」と声をかけてくれました。どうやらあまみが出るほど、サウナと水風呂の効果がしっかり出ている証拠なんだとか。
水風呂から上がる頃には、体が軽くなったような不思議な感覚。熱さと冷たさの極端な温度差を体験することで、血行が促進され、体の芯からリフレッシュされる感じがします。これぞ温冷交代浴の魅力ですね。

外気浴スペース:都会の中の「ととのい」タイム

水風呂の後は外気浴スペースへ。都会のど真ん中にある貴重な「ととのい」スポットの魅力について紹介します。

渋谷で味わう贅沢な外気浴スペースの静寂

水風呂から上がって次に向かったのは、外気浴スペース。これが改良湯の大きな特徴の一つです。リニューアル前にはなかった新しい設備ですね。
階段を下りた場所にある外気浴スペースは、屋根はあるものの、風が自然に入ってくる半屋外の空間でした。渋谷という都会のど真ん中にこんな場所があるなんて、なんだか贅沢な気分です。
外気浴スペースに入った瞬間に気づいたのは、その静けさ。壁には「絶対静寂」という注意書きがあり、皆さん本当に静かに過ごしています。街の喧騒は遠く感じられ、まるで別世界のよう。
サウナと水風呂で温度差を体験した後の外気浴は格別です。肌から湯気が立ち上る様子を見ながら、心拍数が徐々に落ち着いていくのを感じます。渋谷にいることを忘れてしまうほどの静寂と安らぎに包まれて、「これぞととのいの瞬間」と実感しました。

アディロンダックチェアでリラックスする至福の時間

外気浴スペースには、アディロンダックチェアと呼ばれる、座り心地の良い木製のデッキチェアが3脚と、通常の椅子が6脚ほど設置されていました。運良くアディロンダックチェアが空いていたので、迷わず座らせてもらいました。
このチェア、角度が絶妙で自然と体がリラックスできる設計になっています。半分横になるような姿勢になるので、サウナと水風呂で疲れた体をゆっくりと休めることができます。
アディロンダックチェアに座って深呼吸をすると、全身から力が抜けていく感覚がたまりません。体から立ち上る湯気を眺めながら、「あぁ、生きてるなぁ」なんて妙に感傷的な気分に。普段気づかない自分の呼吸や鼓動を感じる貴重な時間です。
椅子の前には足置き台も用意されているので、足が冷えることもありません。こういう細かい配慮がうれしいですね。「ととのいタイム」を存分に味わえる環境が整っています。

アロマディフューザーが香る空間での深呼吸

外気浴スペースに漂う心地よい香りに気づきました。見回すと、隅にアロマディフューザーが置かれていました。「NEHAN TOKYO」というブランドのゼラニウムネロリという香りだそうです。
この香りがまた良いんです。フローラルでありながらスパイシーさも感じる複雑な香り。深呼吸するたびに、リラックス効果が高まるような感覚があります。
サウナと水風呂で五感のうち「触覚」が刺激された後に、この「嗅覚」への心地よい刺激が加わることで、より深い「ととのい」状態になれるような気がします。
外気浴中は、意識的に深い呼吸を心がけました。胸いっぱいに空気を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。この単純な行為がこんなに気持ちいいなんて。都会の喧騒から離れ、ただ自分の呼吸に集中する時間は本当に贅沢です。
アロマの香りと静かな空間で、心も体も整っていく感覚を味わいながら、約10分ほど外気浴を楽しみました。次のサウナセットに向けての完璧な準備ができました。

中温風呂と炭酸泉

サウナと水風呂だけでなく、改良湯には魅力的なお風呂もあります。エプソムソルトのお湯と炭酸泉の体験についてご紹介します。

エプソムソルトのお湯で疲れた筋肉を解放

2セット目のサウナ→水風呂→外気浴のサイクルを終えた後、少し変化をつけようと思い、浴槽エリアに向かいました。改良湯には2種類の浴槽があり、その一つがエプソムソルトのお湯です。
この日は「エプソムソルトウィーク」というイベント期間中だったようで、通常よりも濃度が高めに設定されているとのこと。エプソムソルトとは硫酸マグネシウムのことで、筋肉の緊張をほぐす効果があるそうです。
湯船に入ると、お湯の感触が少し独特。通常のお湯よりもまろやかな感じがして、肌に優しく馴染みます。温度は約42度と、熱すぎず温すぎず、ちょうど良い温度設定。
サウナで温まった後に入ると、デスクワークで凝り固まっていた肩と首の筋肉がじわじわとほぐれていくのを感じました。「あぁ、これは気持ちいい…」とつい長湯してしまいそうになります。エプソムソルト風呂の後は、体が軽くなったような不思議な感覚がありました。

高濃度炭酸泉がもたらす血行促進効果

もう一つの浴槽は炭酸泉です。温度は約38度とやや低めですが、その分長く入っていられます。入ってすぐに気づいたのが、湯船全体に広がる細かい炭酸の泡。まるでシャンパンの中に入っているような感覚です。
体に炭酸の泡がびっしりとついていく様子は、見ていて不思議な気分になります。炭酸は血行を促進する効果があるそうで、実際に入っていると体がポカポカしてきました。温度自体はさほど高くないのに、体の芯からじんわりと温まってくるのが特徴的です。
面白いのは、炭酸泉の浮力です。普通のお湯より体が浮きやすくなっているようで、リラックスして浮かんでいるだけで気持ちいい。サウナと水風呂で疲れた体を、この炭酸泉でゆったりと休めるのが最高のリフレッシュになります。
スタッフの方によれば、この炭酸泉は高濃度で、温浴効果も高いとのこと。確かに、入った後はしばらく体がぽかぽかと温かい状態が続きました。これは冬の寒い日に訪れたら、特に気持ちいいだろうなと思います。

週替わりで楽しめる変わり湯の種類と効能

改良湯ではエプソムソルト風呂だけでなく、週替わりの変わり湯も楽しめるそうです。前回来た時とは違う種類の変わり湯が楽しめるのも嬉しいポイントですね。
スタッフの方に聞いたところ、過去にはダリアの湯レモネードの湯はちみつの湯ライムの湯など様々な種類があったそうです。それぞれ香りも効能も異なり、毎週変わるのでリピーターも飽きない工夫がされています。
今回のエプソムソルトは特に疲労回復に効果があるとのことで、仕事の疲れを癒したい私にはぴったりでした。炭酸泉の方は美肌効果もあるそうで、女性にも人気なんだとか。
変わり湯の情報は公式SNSで発信されているようなので、次回行く前にチェックしてみようと思います。「次は何の変わり湯かな?」と楽しみにしながら通えるのも、改良湯の魅力の一つですね。

温冷交代浴:サウナ→水風呂→外気浴のループ

いよいよ複数セットのサウナを体験。回を重ねるごとに変化していく体の反応と、深まる「ととのい」の感覚について紹介します。

2回目のサウナで感じる体の変化と汗の質

1セット目を終えて休憩した後、2回目のサウナへ入りました。すると、1回目とは明らかに異なる体の反応を感じたんです。汗の出方が全然違う
1回目は体が温まるまで時間がかかりましたが、2回目はサウナ室に入った瞬間から汗が噴き出してきます。しかも汗の質が変わった気がするんです。1回目はどちらかというとベタっとした汗でしたが、2回目はサラサラとした透明感のある汗が全身から。
もう一つ変わったのは、熱さに対する耐性。1回目は「熱い!」と感じましたが、2回目は同じ温度なのに比較的ラクに感じられます。体が温度に順応しているんでしょうね。
そのおかげで、1回目より長く入れました。サウナ室内を見渡すと、おそらく常連さんたちは上段に座っています。勇気を出して私も上段に移動。確かに下段より熱いですが、この熱さもまた気持ちいい!汗が滝のように流れる感覚が病みつきになりそうです。

4セット目の水風呂で実感する体温調節機能

サウナと水風呂を繰り返すうちに、水風呂への入り方も変わってきました。初めは恐る恐る入っていましたが、4セット目ともなると、躊躇なく一気に肩まで浸かれるようになっていました。
面白いのは、同じ12度の水風呂なのに、4セット目にはそれほど冷たく感じないこと。体の温度調節機能が活性化しているのでしょうか。1回目は30秒が限界でしたが、4回目は1分以上余裕で入っていられました。
さらに驚いたのは、あまみの変化です。1回目は膝と腕に少し現れた程度でしたが、4回目には全身に美しいあまみが出現!まるで体中に小さな水滴がびっしりとついたような状態です。これこそ「あまみ全開」というやつか…と一人で感動していました。
水風呂から上がった後の感覚も素晴らしくて、体の芯からじわじわと温かさが戻ってくる感じ。これが血行促進というやつなんですね。いつもはパソコン作業で凝りがちな肩と首がすっかり軽くなっていました。

回を重ねるごとに深まる「ととのい」の境地

サウナ→水風呂→外気浴のサイクルを何度か繰り返すうちに、ついに訪れました。それは真の「ととのい」状態
3セット目くらいから、外気浴で椅子に座っていると、体が軽くなったような浮遊感を感じ始めました。頭の中もスッキリして、いつもならグルグル回っている余計な思考がピタリと止まります。ただ「今、ここ」にいることに意識が集中する、なんとも言えない心地よい状態です。
4セット目の外気浴では、さらに深い「ととのい」に到達。目を閉じると、体の輪郭が溶けていくような不思議な感覚が。心拍数も落ち着き、呼吸はゆっくりと深くなります。頭の中には何もなく、ただ平和な感覚だけがあります。
これこそがサウナーが追い求める境地なんだなと実感。「ととのう」という言葉の意味が、体験を通して初めて本当に理解できた気がします。
最終的には計4セットのサウナ→水風呂→外気浴を堪能しました。最後のセットを終えた時には、心も体も完全にリセットされた感覚。日常の小さなストレスも忘れ、「生きている」実感だけが残りました。このために人はサウナに通うんだなと、あらためて納得した瞬間でした。

銭湯文化の新解釈:改良湯のコンセプト考察

伝統的な銭湯がどう進化してきたのか、改良湯のコンセプトから見えてくる新しい銭湯文化について考えてみます。

「渋谷CROSSING」に込められた多文化共生の思い

改良湯の壁には「渋谷CROSSING」という言葉が掲げられていました。これは単なるおしゃれなキャッチコピーではなく、しっかりとしたコンセプトが込められているようです。
渋谷という街は、様々な文化や人々が交差する場所。その雰囲気を銭湯にも取り入れようという思いがあるのでしょう。実際、改良湯には若者からお年寄りまで幅広い年齢層の方が訪れていますし、外国人観光客の姿も見かけました。
また、内装やBGM、アロマなどを通じて、伝統的な銭湯文化と現代的な要素が見事に交差しています。このミックス感が絶妙で、古き良きものを大切にしながらも新しいものを取り入れる姿勢が感じられます。
スタッフの方に聞いたところ、改良湯では「人・文化が交差する銭湯」というキャッチフレーズを掲げているそうです。銭湯という日本の伝統文化を通じて、様々な交流が生まれる場所になることを目指しているとのこと。なんだか素敵なビジョンだなと思いました。

100年以上の歴史を持つ銭湯の現代的進化

改良湯は1916年(大正5年)の創業で、100年以上の歴史があります。そんな老舗銭湯が、どのように時代に合わせて進化してきたのか、とても興味深かったです。
リニューアル前の改良湯は、どちらかというと昔ながらの銭湯という印象でした。でも2018年末の大規模リニューアルで、見違えるように生まれ変わったんですね。銭湯建築士の今井健太郎氏の監修によるリニューアルで、伝統的な要素を残しつつも現代的なデザインが取り入れられています。
面白いのは、「改良湯」という名前自体に「常に良くしていこう」という意味が込められているという点。確かに、創業から100年以上経った今も、時代に合わせて進化し続けている姿勢は素晴らしいですね。
歴史ある銭湯が現代のニーズに合わせて変化していく様子は、日本の文化の強さを感じさせます。伝統を守るだけでなく、時代と共に進化させていくことで、100年後も愛される施設になっていくのでしょう。

地域コミュニティの場としての銭湯の新たな役割

銭湯は昔から地域のコミュニケーションの場でしたが、改良湯では新たな形でその役割を果たしているように感じました。
例えば、サウナ好きが集まるコミュニティの場になっています。外気浴スペースで偶然隣り合った人と、サウナの話題で盛り上がったりするんですね。普段は会話することのない異なる世代や職業の人と、サウナという共通の趣味を通じてつながれるのは素敵なことです。
また、改良湯では様々なイベントも開催されているそうです。アートイベントやワークショップ、企業とのコラボレーションによる特別湯など、銭湯を拠点にした文化的な活動も行われています。
私が訪れた日も、男女の脱衣場の仕切りを取り外して行われるイベントの準備をしているようでした。スタッフの方に聞くと、脱衣場は最大50人を収容できるスペースとして活用できるとのこと。これは従来の銭湯の概念を超えた、新しい地域文化の発信拠点としての可能性を感じさせます。
銭湯が単なる入浴施設ではなく、地域の文化的ハブとして機能していくことで、新たな価値を生み出していく。改良湯の取り組みは、銭湯文化の新たな可能性を示しているように思います。

サウナグッズと銭湯アイテム:お土産コーナー

サウナを満喫した後、お土産コーナーを覗いてみました。改良湯ならではのグッズの数々が魅力的です。

改良湯オリジナルのMOKUタオルと使用感

サウナから上がって着替えていると、受付近くに小さなお土産コーナーがあるのに気づきました。そこには様々なグッズが並んでいましたが、特に目を引いたのが「MOKUタオル」です。
MOKUタオルは、今治タオルのブランドで、薄くて軽いのに高い吸水性を持つタオルなんだそうです。改良湯オリジナルのもので、シンプルなデザインながらもどこかスタイリッシュな雰囲気。サウナー仲間の間では定番アイテムとして人気があるらしいです。
種類はフェイスタオルだけでなく、ワイドロングというサイズもあって、サウナマットとして使うのに最適だとか。実際に手に取ってみると、肌触りが良くて思わず「おぉ」と声が出てしまいました。
使用感が気になったので購入してみることに。レジでお会計をする時、「こちらは軽くて乾きやすいので、サウナに持っていくのに最適ですよ」と店員さんがアドバイスをくれました。次回のサウナ訪問が今から楽しみになりますね。

クジラモチーフのグッズコレクションの魅力

お土産コーナーでもう一つ目を引いたのは、クジラモチーフのグッズコレクション。外壁の大きなクジラの絵がトレードマークになっているんですね。
クジラの形をした可愛いステッカーピンバッジTシャツなど、バリエーション豊かなグッズが並んでいました。特に気に入ったのは、クジラマークが入ったお着替え袋。コンパクトなのにたっぷり入りそうで、サウナバッグとして使うのに良さそうです。
これらのグッズはデザインがとてもおしゃれで、普段使いできるアイテムばかり。単なるお土産屋さんの商品ではなく、ライフスタイルブランドのような洗練された雰囲気があります。
「お風呂上がりに何か買おうかな」と考えていたので、MOKUタオルと一緒にクジラのステッカーも購入することにしました。これでパソコンやサウナバッグに貼れば、改良湯の思い出と一緒にサウナーとしてのアイデンティティも主張できますね(笑)。

サウナハットやドリンクなど充実のラインナップ

改良湯のお土産コーナーは、MOKUタオルやクジラグッズ以外にも、サウナハットドリンクなど、充実したラインナップでした。
サウナハットには改良湯オリジナルのものがあり、クジラのロゴ入りのデザインが印象的。サウナ室の熱から頭を守ってくれるだけでなく、ファッションアイテムとしても使えそうな可愛さです。「次回は絶対にサウナハットを被ってサウナに入ろう」と心に決めました。
ドリンクコーナーも興味深かったです。銭湯の定番である牛乳コーヒー牛乳はもちろん、全国各地のご当地サイダーなど、約10種類のドリンクが揃っていました。中でも「イヨシコーラ」という改良湯オリジナルのドリンクが気になります。
あと、驚いたのはサウナ本のコーナー。様々なサウナ関連の書籍が置いてあり、サウナの歴史や効能について詳しく知ることができます。サウナ好きにはたまらない品揃えですね。
帰り際にスタッフさんに「このお店のオススメのお土産は何ですか?」と聞いたところ、「やはりMOKUタオルは改良湯の定番ですね。あとは季節限定のサウナハットも人気です」とのこと。今回はタオルだけにしましたが、次回はサウナハットもゲットしたいと思います。

周辺施設とサ飯スポット

サウナの後は「サ飯」で締めるのが定番。改良湯周辺のおすすめスポットや散策ルートをご紹介します。

改良湯帰りに立ち寄りたい渋谷・恵比寿のグルメ

サウナの後は空腹になることが多いですよね。改良湯を出た後、周辺にはどんな食事スポットがあるのか気になったので、スタッフさんに聞いてみました。
渋谷方面に戻るなら、「開花屋」という和食居酒屋がおすすめだそう。しっかりとした食事から軽い一杯まで楽しめるお店で、サウナーにも人気なんだとか。
恵比寿方面なら、「Sushi Akizuki」という寿司屋さんが評判良いそうです。ただ、予約が必要なので、サウナの後にふらっと立ち寄るにはハードルが高いかも。
私は今回、渋谷駅方面に戻る途中にある「つじ田」というラーメン屋さんに立ち寄ることにしました。サウナ後の濃厚つけ麺は最高です!汗をたくさんかいた後なので、少し塩分が欲しくなるんですよね。あつあつのつけ汁に麺をつけて、「はふはふ」言いながら食べる瞬間が幸せです。
やっぱりサ飯(サウナの後の食事)は、サウナ体験の大事な締めくくりだなと実感しました。

サウナ好きが集まる周辺のカフェやバー情報

改良湯周辺には、サウナ好きが集まるカフェやバーもいくつかあるそうです。
例えば恵比寿駅近くには「サウナカフェ」という、その名の通りサウナをテーマにしたカフェがあるとか。サウナ関連の書籍が置いてあったり、サウナ好きが集まって情報交換をする場になっているらしいです。次回は立ち寄ってみたいですね。
また、渋谷方面には「サウナバル」というバーも。ここではサウナビールと呼ばれる、サウナ後に飲むとより美味しく感じられるという特別なビールが味わえるんだとか。「サウナ後のビールは格別」と言いますが、専門店があるなんて知りませんでした。
サウナ好きが集まると、自然と会話もサウナトークで盛り上がるそうです。「あそこのサウナはどうだった?」「この前行った水風呂がすごく冷たくて…」なんていう会話が飛び交う様子を想像すると、ちょっと参加してみたくなります。
改良湯が位置する渋谷と恵比寿の間のエリアは、意外にもサウナ文化が根付いているようです。次回訪れる際は、サウナ後の時間も含めてプランを立てたいと思います。

恵比寿・代官山エリアの散策ルート提案

改良湯で汗を流した後は、周辺エリアを散策するのも一つの楽しみ方です。スタッフさんおすすめのルートを教えてもらいました。
改良湯から恵比寿方面に向かうと、閑静な住宅街を抜けて恵比寿ガーデンプレイスに出ることができます。そこから代官山方面に歩くと、おしゃれなカフェやセレクトショップが立ち並ぶエリアに。サウナで整った後のリラックスした気分で街歩きを楽しむのは、なかなか贅沢な時間です。
また、渋谷方面に戻るなら、明治通りではなく裏道を歩くのがおすすめだそう。静かな住宅街の中に、小さなカフェやギャラリーが点在していて、渋谷とは思えない落ち着いた雰囲気を楽しめます。
私は今回、恵比寿ガーデンプレイス方面へ足を延ばしてみました。サウナで体が軽くなったせいか、普段なら億劫に感じる坂道も気にならずに歩けます。途中、小さな公園で休憩しながら、サウナで整った後の心地よい疲労感を味わいました。
渋谷・恵比寿・代官山という異なる雰囲気を持つエリアの中間に位置する改良湯は、サウナ後の散策を楽しむという点でも恵まれた立地だと感じました。

帰路での余韻:心身ともにリフレッシュした状態で

改良湯を後にし、帰路に就く時の心身の変化と、改良湯で過ごした時間を振り返ります。

サウナ後の爽快感を抱えての渋谷駅への帰り道

改良湯を出て渋谷駅に向かう道のり、体の中から湧き上がる爽快感が何とも言えません。こんなに身体が軽く感じるのは久しぶりです。
外は少し冷え込んできていましたが、サウナで芯から温まった体にはちょうど良い感じ。むしろこの冷たい空気が気持ちいい!深呼吸すると、肺の奥まで新鮮な空気が入っていく感覚がたまりません。
明治通りを歩きながら、ふと空を見上げると、いつもより星が綺麗に見えるような気がしました。いや、単に感覚が研ぎ澄まされているだけかもしれませんが、それでも普段気づかない小さな美しさに心が動かされるってステキなことですよね。
歩いている途中、すれ違う人たちを見て「あの人もサウナから帰るところかな?」なんて想像してしまいます。なんだかサウナ仲間を見つけたような気分になって、思わず微笑んでしまいました。渋谷の夜の喧騒の中でも、心はとても穏やかな状態。これぞ「ととのい」の余韻でしょうか。

サウナ後の軽い夕食選びと体調の変化

渋谷駅に着いたら、そのまま帰るのももったいない気がして、軽く夕食を取ることにしました。サウナ後の体は普段より代謝が活発になっているらしく、なんだかお腹が空いているんです。
でも、サウナ後はあまり重たい食事は避けたいので、駅ナカの立ち食いそば屋「富士そば」に入りました。「海老かき揚げそば」をオーダー。シンプルながらも、出汁の効いたそばがサウナで整った体に染み渡ります。「あぁ、これぞサ飯の喜び」と一人でにやけてしまいました。
食事をしながら気づいたのは、普段より味覚が敏感になっている気がすること。ちょっとした出汁の香りや海老の風味が、いつもより鮮明に感じられるんです。サウナで体内の毒素が流れ出て、感覚が研ぎ澄まされているのかもしれません。
それに何より感じるのは、心身の疲労感がリセットされたこと。朝から夕方まで集中していた仕事の疲れが、まるで嘘のように消えています。これなら明日も元気に仕事ができそうです。サウナの回復効果、侮れません。

サウナ後の爽快感を抱えての渋谷駅への帰り道

食事を終えて電車に乗り込むと、ふと改良湯で過ごした時間を振り返りたくなりました。スマホを取り出して、サウナで感じたことをメモに残します。これがサウナ日記の始まりかも?
振り返ると、3年前に訪れた時と比べて、改良湯は本当に素晴らしい進化を遂げていました。単なる銭湯からサウナー憧れの聖地へと変化していたんですね。特に水風呂の水質外気浴スペースの快適さは格別でした。
そして、何より心に残ったのは、スタッフの方々の丁寧な対応熱意。特にアウフグースを担当してくれたスタッフさんの技術と情熱には感動しました。この人たちの努力があるからこそ、改良湯は多くの人に愛される場所になっているんだなと実感します。
電車の揺れに身を任せながら、「次はいつ行こうかな」と考えている自分がいました。もうサウナの虜になっているようです。改良湯で過ごした約2時間は、日常から離れた特別な時間でした。この心地よい余韻を大切にしながら、家路へと向かいました。

改良湯の良いところ:料金とクオリティのバランス

改良湯の魅力の一つは、リーズナブルな料金設定と高いクオリティのバランスにあります。具体的な料金とサービス内容を紹介します。

コスパ抜群の入浴料+サウナ料金の組み合わせ

改良湯の料金体系は、本当にリーズナブルだと感じました。入浴料が520円、サウナ利用料が450円で、合計970円。東京都内のサウナ施設としては破格の安さです。
サウナ専門店だと1回の利用で2,000円〜3,000円することも珍しくないので、この価格設定はかなりありがたい。しかも、質の高いサービスを考えるとコストパフォーマンスは抜群です。
タオルを持参すれば追加料金もかからないですし、シャンプーやボディソープも備え付けがあるので、手ぶらでも問題ありません。タオルを忘れた場合でも、レンタルタオルセットが120円と良心的な価格です。
また、時間制限は2時間(120分)ですが、十分に楽しめる長さです。サウナを4セットほど入っても、ゆっくりお風呂に浸かる時間も確保できました。
本格的なサウナ体験を、この価格で提供してくれる改良湯は、サウナ初心者からマニアまで幅広い層に支持される理由がよくわかります。都内サウナのコスパNo.1といっても過言ではないでしょう。

清潔感とデザイン性の高さに驚く施設の魅力

改良湯の魅力は価格だけではなく、清潔感デザイン性の高さも特筆すべき点です。2018年のリニューアル以降、施設全体が洗練された印象になっています。
脱衣所は黒を基調としたシックな内装で、間接照明がモダンな雰囲気を演出しています。浴室も同様に、青い間接照明と現代的な壁画が、どこか異空間のような感覚を呼び起こします。
清潔感も抜群で、水回りはピカピカに保たれています。ロッカーやベンチ、カランなど、細部に至るまで手入れが行き届いている印象です。建物は古いながらも、内装が新しいので、快適に過ごせます。
また、アメニティも充実しています。シャンプーやボディソープはもちろん、無料のヘアアイロン貸し出しサービスもありました。ドライヤーは有料(3分20円)ですが、最新式で風力も十分です。
改良湯のデザインを担当したのは銭湯建築士の今井健太郎氏だそうで、伝統的な銭湯の良さを残しつつも、現代的なセンスを取り入れた設計になっています。100年以上の歴史を持つ銭湯がこんなにモダンな空間に生まれ変わっていることに、驚きを隠せませんでした。

都心とは思えない静けさと落ち着きのある空間

渋谷区という都心の喧騒の中にありながら、改良湯の中に一歩入ると、不思議と静けさに包まれます。特に外気浴スペースは「絶対静寂」の表示があり、皆さん本当に静かに過ごしています。
サウナ室も同様で、完全黙浴が徹底されています。他のサウナ施設では時々おしゃべりする人がいることもありますが、ここではそんな光景を見ませんでした。おかげで、深い瞑想的な時間を過ごすことができます。
浴室全体にも瞑想的なBGMが小さな音量で流れていて、リラックス効果を高めています。都会の喧騒を忘れさせてくれる、貴重なオアシスのような存在です。
また、照明の工夫も特筆すべき点で、全体的に落ち着いた明るさになっています。明るすぎず暗すぎず、リラックスするのに最適な照度が保たれています。
多くのお客さんが訪れる人気施設でありながら、このような静けさと落ち着きを維持できているのは、スタッフの方々の努力と、利用者のマナーの高さの証でしょう。都会の真ん中で心を休めることができる、そんな貴重な空間だと感じました。

改良湯の改善点:人気ゆえの混雑問題

素晴らしい施設ながらも、人気ゆえの課題もあります。改良湯の混雑状況と改善点について考えてみます。

週末や祝日の混雑状況とベストな訪問タイミング

改良湯の最大の課題は、やはり混雑です。特に週末や祝日は入場を待つ列ができることもあります。私が訪れたのは平日夕方でしたが、それでも多くのお客さんで賑わっていました。
常連さんに聞いたところによると、土日は開店と同時に行列ができ、30分以上待つこともあるとのこと。そして一度入場しても、サウナ室や外気浴スペースは常に満席状態になりやすいそうです。特に18時以降の夕方から夜にかけては、仕事帰りのサラリーマンで混雑するようです。
ベストな訪問タイミングは、平日の13時〜16時あたりだそうです。この時間帯は比較的空いていて、ゆっくりサウナを楽しめるとのこと。また、閉店間際の22時以降も空いていることが多いそうですが、時間に余裕がないのがデメリットです。
ちなみに私が訪れたのは平日の17時半頃でしたが、サウナ室は8割ほど埋まっていました。それでも3〜4人の待ちが発生することはありましたが、そこまで長く待つことはなく楽しむことができました。次回は昼間の時間帯に訪れてみたいと思います。

サウナ待ちと外気浴椅子の数に関する課題

改良湯の施設自体はそれほど大きくないため、人気の時間帯にはサウナ待ち外気浴待ちが発生します。これはかなり課題だと感じました。
サウナ室は2段ベンチのL字型で、最大でも15人程度しか入れません。そのため、混雑時には入室までに待ち時間が発生します。サウナ室の前には待機スペースがあるものの、裸で並ぶのはやはり少し居心地が悪いものです。
さらに問題なのが外気浴スペースの椅子の数です。アディロンダックチェアが3脚、通常の椅子が6脚ほどで、合計9脚程度。これでは、サウナを利用する人全員が同時に外気浴を楽しむことはできません。特にアディロンダックチェアは人気で、常に誰かが座っている状態でした。
理想を言えば、サウナ室を広くするか、外気浴スペースの椅子を増やすことで、この問題は改善されると思います。ただ、建物の構造上の制約があるのかもしれませんが…。
それでも、脱衣所内にも整いイスが4脚ほど用意されているので、外気浴スペースが満席の場合はそちらを利用することもできます。ドライヤーの音は少し気になりますが、内気浴派の方には良い選択肢かもしれません。

アクセス面での渋谷・恵比寿からの距離感

改良湯のもう一つの課題は、アクセスの問題です。渋谷駅からも恵比寿駅からも徒歩12分程度と、少し距離があります。
渋谷駅から歩く場合、明治通りをしばらく歩くことになるので、初めて訪れる方は少し迷うかもしれません。私も最初は「本当にこの道であってるのかな?」と不安になったほどです。また、恵比寿駅からは住宅街を通るので、夜は少し暗い道もあります。
この距離感は、仕事帰りに気軽に立ち寄るには少しハードルが高いかもしれません。駅から近いサウナ施設と比べると、この点は確かにデメリットです。
ただ、逆に考えれば、この「程よい不便さ」が、改良湯の静かな環境を守っているとも言えます。あまりにも駅近だと、さらに混雑が激しくなる可能性もありますから。
また、徒歩だけでなく、渋谷区コミュニティバス「ハチ公バス」の「恵比寿・代官山循環 ゆやけこやけルート」を利用すれば、「渋谷区役所」停留所から近いそうです。これを活用すれば、アクセスの問題も多少改善されるかもしれません。

改良湯の進化:リニューアル前後の比較

3年前に訪れた改良湯と現在の姿を比較しながら、この老舗銭湯がどのように時代に合わせて進化してきたのか、その歴史と変化を探ります。

大正時代から続く「改良湯」の変遷とその歴史

改良湯は1916年(大正5年)に創業された、100年以上の歴史を持つ老舗銭湯です。この長い歴史の中で、幾度となく変化を遂げてきたことがわかりました。
元々「改良湯」という名前には、「常に良くしていこう、悪いものを直していこう」という前向きな意味が込められているそうです。この名前の通り、時代の変化に合わせて進化を続けてきたのでしょう。
創業当初の様子は想像するしかありませんが、関東大震災や戦争など、様々な困難を乗り越えてきたことは間違いありません。現在の建物は約46年前に建てられたものだそうですが、内装は2018年の大規模リニューアルで生まれ変わりました。
現在の経営者は4代目の大和伸晃さんと大和慶子さん夫妻だそうです。特に慶子さんは女性ならではの視点で、新たなエッセンスを取り入れているとのこと。「普段の生活の中でカフェや本屋で時間を潰すのではなく、銭湯で心も身体も整えてみませんか?」というメッセージには、改良湯に対する強い思いが感じられます。
3年前に訪れた時も、歴史ある銭湯という印象はありましたが、今回はその歴史と現代性が見事に融合している様子を強く感じました。

今井健太郎氏設計のリニューアルがもたらした変化

2018年末に行われた大規模リニューアルは、銭湯建築士の今井健太郎氏の監修によるものでした。この改装によって、改良湯はどう変わったのでしょうか。
まず、内装のデザイン性が格段に向上しました。3年前は典型的な銭湯という雰囲気でしたが、リニューアル後は黒を基調としたシックな内装、間接照明を活用した空間デザインが印象的です。特に浴室の青い照明と水面の反射が作り出す幻想的な雰囲気は、従来の銭湯のイメージを覆すものでした。
また、サウナ設備も大幅に改善されました。以前は単純なドライサウナだけでしたが、現在はオートロウリュ機能が追加され、定期的にサウナストーンに水がかけられる仕組みになっています。さらに、スタッフによるアウフグースも導入され、より本格的なサウナ体験が可能になりました。
外気浴スペースの設置も大きな変化です。3年前は外気浴エリアはなく、サウナから出た後はすぐに水風呂に入るか、浴室内で休むしかありませんでした。今は専用の外気浴スペースがあり、アディロンダックチェアでゆっくりと「ととのう」ことができます。
さらに、水質の改善も見逃せません。リニューアルで軟水を導入し、肌に優しい水質になったそうです。確かに、水風呂に入った時の感触が以前とは全く違いました。
これらの変化によって、改良湯は単なる銭湯から、サウナ愛好家の聖地へと進化したのです。

伝統を守りながら進化し続ける銭湯の姿勢

改良湯の素晴らしいところは、伝統を守りながらも進化し続ける姿勢です。リニューアルによって様々な新しい要素が加わりましたが、銭湯の本質的な部分は大切に保たれています。
例えば、浴室内のアートワークは従来の銭湯絵(富士山)ではありませんが、現代的な解釈で壁画が描かれています。また、銭湯文化の基本である「まず体を洗ってから浴槽に入る」といったマナーもしっかりと継承されています。
建物自体の外観も、古い銭湯の風情を残しつつ、クジラの壁画という新しい象徴が加わりました。これは改良湯の姿勢を象徴しているようにも思えます。古いものを壊すのではなく、大切な部分を残しながら新しい要素を加えていく。
最も印象的だったのは、地域のコミュニティの場としての役割を大切にしていることです。昔から銭湯は地域の人々の交流の場でしたが、改良湯もその伝統を引き継ぎ、地元の常連さんからサウナ愛好家、外国人観光客まで、様々な人が集まるクロスカルチャーの場になっています。
改良」の名の通り、常に良くしていこうという姿勢を持ち続けながらも、大事なものは守る。この姿勢こそが、100年以上愛され続ける理由なのかもしれません。次に訪れる時には、また新たな進化が見られるかもしれないと思うと、今から楽しみです。

改良湯とサウナブーム:人気の理由を考察

近年のサウナブームの中で、改良湯がなぜこれほど人気を集めているのか、その理由と社会的背景について考えてみます。

サウナブームの中での改良湯の位置づけ

最近、日本ではサウナブームが巻き起こっていますよね。漫画「サ道」や様々なメディアでサウナが取り上げられ、サウナに通う若者が増えています。そんな中、改良湯はどんな位置づけにあるのでしょうか。
改良湯は、ブームに乗って突然現れた新しいサウナ施設ではなく、100年以上の歴史を持つ銭湯が進化したものです。それでいて、現代のサウナー(サウナ愛好家)のニーズをしっかりと捉えている点が特徴的です。
サウナブームの中で多くの専門サウナ施設が生まれていますが、その多くは高価格で敷居が高い印象。一方、改良湯は1,000円以下でハイクオリティなサウナ体験ができるため、サウナ初心者から上級者まで幅広く支持されています。
また、サウナブームの特徴として「ととのい」という概念の浸透がありますが、改良湯はその点でも抜群の環境を提供しています。サウナ→水風呂→外気浴というフィンランドスタイルのサイクルが完璧に実現できる数少ない銭湯サウナとして、ブームの中心に位置していると言えるでしょう。

SNSで話題のスポットとなった背景と影響

改良湯が人気を集める要因の一つは、SNSでの話題性にあると感じました。特にInstagramサウナイキタイなどのサウナ専門SNSでの高評価と投稿数の多さが目立ちます。
クジラの壁画や幻想的な照明など、映える要素が多いのもSNS映えする理由でしょう。実際に私も「これ、写真撮りたい!」と思った場面が何度もありました(もちろん浴室内での撮影は厳禁ですが)。
それから、改良湯のゲリラアウフグース情報がSNSで共有されることで、予定外の訪問を促す効果もあるようです。「今、改良湯でアウフグースやっているよ!」という情報を見て、急遽駆けつけるサウナーも多いとか。
SNSによる情報拡散は施設側にもプラスに働き、改良湯は独自のSNSアカウントも積極的に運営しています。定期的に変わり湯の情報や、イベントの告知を発信しているので、リピーターが増える仕組みになっています。
このようにSNSと改良湯は良い相互関係を築いており、話題性が人気を呼び、その人気がさらに話題を生むという好循環が生まれているように思います。サウナブームとSNSの普及が、長い歴史を持つ改良湯に新たな光を当てたと言えるでしょう。

銭湯サウナとして独自の魅力を発信し続ける意義

改良湯のような銭湯サウナが独自の魅力を発信し続ける意義は大きいと感じました。昨今のサウナブームでは、専門のサウナ施設が注目されがちですが、銭湯サウナには銭湯サウナにしかない魅力があります。
まず、地域コミュニティの核としての役割。銭湯は昔から地域の人々の交流の場でした。改良湯にも地元の常連さんがたくさん来られていて、そういった方々と新しくサウナに興味を持った若者が同じ空間を共有することで、世代を超えた交流が生まれる可能性があります。
次に、日本の入浴文化の継承という意義。改良湯は銭湯の伝統を守りながらも、フィンランドのサウナ文化を取り入れたハイブリッドな施設です。このような場所が増えることで、日本の入浴文化が単に保存されるだけでなく、進化し続けることができます。
さらに、サウナの多様性を示す意義もあります。高級なサウナ専門店だけがサウナではなく、身近な銭湯でも素晴らしいサウナ体験ができることを示すことで、より多くの人がサウナを楽しめるようになります。
改良湯のような銭湯サウナが成功することで、全国の銭湯がサウナに注目し、設備を充実させるきっかけになるかもしれません。それは日本の銭湯文化の未来にとっても、サウナ文化の発展にとっても、重要な意義を持っていると思います。

サウナ愛好家からみた改良湯:客観的評価

一般的な銭湯利用者ではなく、サウナ愛好家の視点から改良湯の評価を考察します。専門サイトでの評価や、他のサウナ施設との比較を紹介します。

サウナ通の間で語られる改良湯の評判と実態

サウナ通の間では、改良湯はどのように評価されているのでしょうか。様々な口コミサイトやSNSを見ると、かなり高評価が多いことがわかります。
特に評価されているのは、サウナの質です。銭湯のサウナというと「温度が低い」「熱波が弱い」というイメージがありますが、改良湯のサウナは100度という高温設定と、定期的なオートロウリュによって、本格的なサウナ体験ができると評判です。
また、サウナ通には「軟水の水風呂」も高く評価されています。肌触りがよく、冷たさが心地よいと。水風呂の温度は12度前後と、サウナ専門施設に負けない冷たさを維持していることも好評価につながっているようです。
そして何より、外気浴スペースの存在が大きいですね。多くの銭湯サウナには外気浴スペースがなく、サウナ後にゆっくり「ととのう」場所がないことが難点なのですが、改良湯にはアディロンダックチェアを備えた立派な外気浴スペースがあります。これが「サウナの聖地」と呼ばれる所以なのかもしれません。
実際に訪れてみて、サウナ通の評判は決して誇張ではないと実感しました。むしろ、口コミ以上の体験ができるのではないかと思うほどです。

サウナイキタイ上位常連の施設としての強み

サウナ専門の口コミサイト「サウナイキタイ」では、改良湯は常に上位にランクインしています。なぜそれほど多くのサウナーから「イキタイ」と思われるのでしょうか。
その強みの一つは、コストパフォーマンスにあると思います。サウナ利用料込みで1,000円以下という価格は、東京都内のサウナ施設としては破格です。特に近年、高級サウナ施設が増える中、この価格で本格的なサウナ体験ができるのは大きな魅力でしょう。
また、アクセスの良さも強みの一つです。渋谷駅からは徒歩12分ほどで、都心にあるため、仕事帰りに立ち寄りやすい立地です。渋谷という若者の街にあることも、新たなサウナファンを増やすきっかけになっているかもしれません。
さらに、ユニークなイベントも強みです。ゲリラ的に行われるアウフグースや、週替わりの変わり湯など、毎回違った体験ができる工夫があります。こうした変化が、リピーターを増やす要因になっていると思われます。
改良湯がサウナイキタイで高評価を得続けるのは、ただサウナ設備が良いだけでなく、価格、立地、イベントなど、総合的な魅力があるからなのでしょう。そのバランスの良さこそが、サウナ上位常連となる最大の強みではないでしょうか。

都内サウナランキングでの位置づけと特異性

都内には数多くのサウナ施設がありますが、その中で改良湯はどのような位置づけにあるのでしょうか。様々なサウナランキングを見ると、改良湯は常に上位に位置していることがわかります。
都内サウナランキングにおける改良湯の特異性は、何といっても銭湯でありながら専門サウナ施設に互角の評価を得ていることでしょう。他の上位サウナはスパ併設の高級施設や専門サウナであることが多いですが、改良湯は歴史ある銭湯でありながら、その評価に食い込んでいます。
また、サウナのフルセット感も特徴的です。サウナ→水風呂→外気浴という理想的なサイクルが完璧に実現できる銭湯は意外と少ないのです。さらに、アウフグースまで体験できる銭湯サウナとなると、より希少性が高まります。
改良湯はランキング上位でありながら、敷居の低さも特異点として挙げられます。初心者でも気軽に入れる雰囲気と価格設定でありながら、サウナマニアも満足できる本格的な設備を持っているのは、とても珍しいバランスです。
都内の他のサウナ施設と比較したとき、改良湯は「銭湯の枠を超えた新しいサウナ体験」を提供している点で特異性があります。それは単にランキング上位というだけでなく、サウナ文化の新たな可能性を示すモデルケースとしての価値もあるのではないでしょうか。

男女別の入浴体験:ジェンダー視点での違い

男性と女性では改良湯での体験にどのような違いがあるのか、男女別の設備や体験について考察します。

男性サウナ対流式100度と女性サウナ遠赤外線90度

改良湯では、男女でサウナの種類が異なるという興味深い特徴があります。男性側は対流式サウナで温度は約100度、女性側は遠赤外線サウナで温度は約90度に設定されているそうです。
なぜこのような違いがあるのでしょうか?スタッフの方に聞いてみたところ、一般的に女性は男性よりも体感温度が高く感じる傾向があるため、やや低めの温度設定にしているとのこと。また、遠赤外線サウナは肌への刺激が穏やかで、美容効果を重視する女性向けに選ばれているようです。
男性側の対流式サウナは、ストーブを中心に熱が対流することで、全身に均等に熱が行き渡る仕組みになっています。汗をたくさんかきたい男性に好評だそうです。一方、女性側の遠赤外線サウナは、じんわりと体の芯から温まるタイプで、発汗もやや穏やかなのだとか。
この違いについて、サウナ愛好家の女性に話を聞いたところ、「女性は男性よりも基礎体温が高いから、同じ温度でも熱く感じるんじゃないかな」という意見もありました。なるほど、そういう理由もあるかもしれませんね。
個人的には男性側しか体験できませんでしたが、機会があれば女性の友人にも改良湯に行ってもらって、感想を聞いてみたいと思います。

男女で異なる脱衣所空間と設備の違い

改良湯では、男女の脱衣所もデザインや設備に違いがあるようです。私は男性側しか見ていませんが、常連の方から聞いた情報によると、女性側の脱衣所はより広く設計されていて、メイクスペースも充実しているとのこと。
男性側の脱衣所は黒を基調としたシックなデザインで、どちらかというと機能性重視の印象でした。一方、女性側はパープルをアクセントカラーに使った、やや柔らかい雰囲気の空間になっているそうです。
設備面でも違いがあり、女性側にはヘアアイロンドライヤーの数が多く用意されているとか。男性側にもドライヤーはありましたが、台数は3台ほどでした。女性は髪を乾かす時間がより必要だという配慮なのでしょう。
また、女性側は滞在時間の制限も男性とは異なり、2時間30分と少し長めに設定されているそうです。これは髪の毛を乾かす時間や、メイクをする時間を考慮しているからでしょうか。男性側は2時間の制限でした。
このように、男女で異なるニーズに合わせた設計になっているのは、使う人のことをよく考えている証拠ですね。ただ単に男女で分けるだけでなく、それぞれの利用シーンに合わせた工夫がされているのは素晴らしいことだと思います。

銭湯文化における男女の過ごし方の変遷

銭湯という場所は、昔から男女の過ごし方に違いがあったようです。スタッフの方や常連さんから聞いた話によると、かつての銭湯では男性はゆっくりと湯船に浸かることが多く、女性はおしゃべりをしながら体を洗うことに時間をかける傾向があったとか。
しかし現代では、そうした男女の違いも徐々に変化しているようです。改良湯を見ていると、男性もサウナと水風呂を行き来するスタイルが増えていますし、女性もサウナを楽しむ人が増えているとのこと。特に若い世代では、男女の過ごし方の差が少なくなっているそうです。
銭湯文化の変遷を象徴するのは、男女共用の空間の増加かもしれません。改良湯では、イベント時に脱衣所の仕切りを取り外して、男女共用のスペースとして活用することもあるそうです。これは従来の銭湯文化からすると革新的な試みですね。
また、リニューアル後の改良湯では、男女ともに「ととのい」を重視した設計になっています。これは従来の銭湯の使い方とは異なる、新しい銭湯文化の形とも言えるでしょう。
銭湯という日本の伝統文化の中で、男女の過ごし方も時代とともに変化しています。改良湯はそうした変化を受け入れながらも、銭湯の本質を大切にしている点が素晴らしいと感じました。これからも銭湯文化がどのように進化していくのか、楽しみですね。

改良湯のスタッフたち:熱波師の技術と接客

改良湯の魅力を支えるスタッフたちにスポットを当て、特にアウフグースを担当する熱波師の技術や、4代目オーナーの思いについて紹介します。

アウフグースを担当するスタッフの熱意と技術

改良湯で最も印象に残ったのは、アウフグースを担当するスタッフの方の熱意と高い技術でした。私が体験したアウフグースでは、女性スタッフの方が担当してくれたのですが、そのタオル捌きのスキルに驚かされました。
狭いサウナ室内で、大きなタオルを頭上でぐるぐると回す技術は相当な練習が必要だと思います。それをリズミカルに、しかも熱い室内で何度も繰り返す体力と集中力には感心するばかり。「これって本当にすごい技術だな」と思わず感嘆してしまいました。
アウフグースの際には、スタッフの方が「今日はマウンテンハーブのアロマを使用します」と丁寧に説明してくれたのも印象的でした。単にサービスとしてアウフグースを提供するだけでなく、香りの選定にもこだわりがあるようです。
さらに驚いたのは、ブロワーという送風機のような道具も使いこなしていたこと。これを使って熱波を直接送ってくれるのですが、強弱のコントロールや当てる角度まで計算されていて、プロフェッショナルだなと感じました。
スタッフの方に後で話を聞くと、アウフグースの技術は専門の講習を受けて磨いているそうです。「お客様に喜んでもらえるのが嬉しい」と笑顔で話してくれる姿に、改良湯のサービスへのこだわりを感じました。

長年地域に愛される銭湯の人的魅力

改良湯が100年以上も地域に愛され続けてきた理由の一つには、スタッフの人柄があるのだろうと感じました。受付のスタッフの方は皆さん笑顔で接してくれ、初めての人にも分かりやすく施設の説明をしてくれます。
特に印象的だったのは、地元のお年寄りの方に名前で声をかけている場面を見かけたこと。「いつもと同じですか?」「お孫さんの調子はどうですか?」といった会話から、長年の信頼関係が垣間見えました。
銭湯は単なる入浴施設ではなく、地域のコミュニケーションの場としての役割も担ってきました。改良湯では、そうした伝統的な銭湯の役割をしっかりと受け継ぎながらも、新しいサウナ文化を取り入れている印象です。
また、スタッフの方々はサウナに対する知識も豊富で、「今日の水風呂は何度くらいですか?」という質問にも正確に答えてくれたり、「外気浴の椅子の空き状況」を教えてくれたりと、サウナーにとって嬉しい気配りが感じられました。
お風呂上がりには「ゆっくりできましたか?」と声をかけてくれる親しみやすさも、長年愛される理由の一つなのでしょう。人的な魅力があってこそ、設備の良さも活きてくるのだと思います。

4代目オーナーが描く改良湯の未来像

現在の改良湯は、4代目の大和伸晃さんと大和慶子さん夫妻が運営しています。特に慶子さんは、女性ならではの視点で新たなエッセンスを取り入れているそうです。
スタッフの方から聞いた話によると、4代目オーナーの目指す改良湯の未来像は「人・文化が交差する銭湯」なんだとか。これは「渋谷CROSSING」というコンセプトにも表れていますね。
改良湯では定期的にイベントワークショップも開催されているそうで、銭湯を拠点にした文化的な活動にも力を入れています。「普段の生活の中でカフェや本屋で時間を潰すのではなく、銭湯で心も身体も整えてみませんか?」というメッセージには、現代人のライフスタイルを見据えた提案が感じられます。
また、改良湯では環境への配慮も意識されているそうです。使用する水を軟水にすることで節水効果があるとか、省エネルギーの設備導入なども進めているとのこと。未来に向けて持続可能な銭湯経営を目指している姿勢が伝わってきます。
4代目オーナーが描く未来像は、単に昔ながらの銭湯を守るだけではなく、時代に合わせて進化させながら、新しい銭湯文化を創造していくことにあるようです。「改良」の名にふさわしい、常に前進する姿勢が素晴らしいですね。

季節ごとの改良湯の楽しみ方:年間通しての魅力

改良湯は季節によって異なる魅力があります。夏と冬のサウナの楽しみ方、そして一年を通じて訪れるべき最適なタイミングについて考えてみます。

夏の暑い時期こそ訪れたい銭湯サウナの理由

真夏に銭湯やサウナに行くなんて、「暑いのに熱いところへ?」と思う方もいるかもしれませんね。でも実は夏こそ改良湯に訪れるべき理由があるんです。
まず、夏はサウナ室内が短時間でほどよい湿度になるそうです。外の湿度が高いため、サウナ室内も程よい湿度を保ちやすく、汗がよく出るとのこと。「夏のサウナは汗の質が違う」という常連さんの言葉が印象的でした。
また、夏は水風呂が最高に気持ちいい季節です。改良湯の水風呂は12度前後と冷たく設定されていますが、暑い夏場にこの冷たさを味わうと、体の芯から涼しくなる感覚があります。これは冷房では味わえない快感ですね。
さらに、夏は外気浴が快適です。冬場は外気浴時に体が冷えやすいですが、夏は心地よい風を感じながらリラックスできます。ただし、真夏の暑すぎる日は内気浴(脱衣所での休憩)のほうが快適かもしれません。
改良湯では夏場に特別なイベントも開催されるそうで、「真夏の水風呂に氷を入れる日」なんてものもあるとか。これは体験してみたいですね!
暑い夏こそ、改良湯で汗をしっかりかいて、水風呂でクールダウンする。これが夏を乗り切る秘訣かもしれません。

冬の外気浴で感じる寒暖差の心地よさ

反対に、寒い冬のサウナも格別の体験です。特に改良湯での冬の外気浴は、ある種の修行のような心地よさがあります。
冬のサウナは室内がドライな状態になりやすいため、オートロウリュの効果がより実感できるそうです。乾いた熱いサウナ室内に突然湿度が高まると、体感温度が一気に上がり、より強烈な発汗が促されます。
そして何より冬の醍醐味は、熱いサウナから出た後の寒暖差を楽しむこと。サウナで熱せられた体で外気浴スペースに出ると、冷たい外気が肌に触れる瞬間の気持ちよさといったら!これぞ温冷交代浴の真髄と言えるでしょう。
ただし、改良湯の外気浴スペースは足元が冷えやすいという課題もあります。冬場は足置き台があるとはいえ、長時間の外気浴は体が冷えすぎてしまうことも。そんな時は脱衣所内の整いイスを利用するのも一つの手です。
冬場の楽しみ方としては、サウナと水風呂を行き来した後、炭酸泉でゆっくり温まるというのも良いですね。炭酸泉は血行を促進してくれるので、冬の冷えた体にはぴったりです。
寒い時期だからこそ、改良湯の熱いサウナと冷たい水風呂、そして温かいお風呂の組み合わせが心地よく感じられることでしょう。

春秋のベストシーズンに訪れる改良湯の魅力

個人的には、改良湯を訪れるベストシーズンは春と秋だと思います。気温が穏やかなこの時期は、サウナも水風呂も外気浴も、すべてが最高のコンディションで楽しめるからです。
春や秋は外気温が15~20度前後になることが多く、これはサウナ後の外気浴に最適な温度です。夏のように暑すぎず、冬のように寒すぎないので、長時間外気浴を楽しむことができます。「ととのい」を深く味わうには最高の季節ではないでしょうか。
また、春秋は比較的混雑が少ない時期でもあります。夏休みや年末年始ほどの混雑がないため、ゆったりとサウナを楽しめる可能性が高いのも魅力です。
改良湯では春には桜の湯、秋には紅葉の湯など、季節に合わせた変わり湯も楽しめるそうです。こうした季節感も、春秋の改良湯の魅力の一つですね。
さらに、渋谷から改良湯までの道のりも、春秋は最も歩きやすい気候です。散歩がてらのアクセスも楽しめますし、サウナ後にも周辺を散策する余裕が生まれます。
一年を通して様々な魅力がある改良湯ですが、もし初めて訪れるなら、やはり過ごしやすい春秋がおすすめです。とはいえ、どの季節にも独自の楽しみ方があるので、季節ごとに訪れるのが理想かもしれませんね。

最終評価:リピート確定の渋谷サウナスポット

改良湯体験を総括し、その魅力と今後の展望、サウナスポットとしての評価をまとめます。

都内銭湯サウナの中でも際立つ改良湯の個性

東京都内には数多くの銭湯サウナがありますが、その中でも改良湯は確実に際立った個性を持っていると感じました。
まず、黒を基調とした内装青い間接照明による幻想的な空間デザインは、他の銭湯ではなかなか見られないものです。リニューアルを担当した今井健太郎氏のセンスが光る、現代的でありながらも落ち着いた雰囲気が素晴らしいですね。
また、オートロウリュアウフグースといった本格的なサウナ設備を備えている点も、都内の銭湯サウナの中では珍しいです。多くの銭湯サウナが「とりあえずサウナがある」程度なのに対して、改良湯は本格的なサウナ体験にこだわっているのが伝わってきます。
水風呂も軟水を使用し、12度程度の適温に保たれているのは特筆すべき点です。多くの銭湯サウナでは水風呂の温度が高めなことが多いですが、改良湯はサウナ愛好家の希望に応える冷たさを維持しています。
そして何より、外気浴スペースの存在が改良湯の大きな個性でしょう。都内の銭湯サウナでここまで充実した外気浴スペースを持つ施設は稀です。アディロンダックチェアも置かれた、アロマの香る静寂の空間は、まさに「ととのい」のために設計されたものだと感じました。
改良湯は単なる銭湯ではなく、サウナ文化と銭湯文化の融合を体現した、新しい形の温浴施設だと言えるでしょう。

サウナ初心者から上級者まで楽しめる懐の深さ

改良湯の素晴らしいところは、サウナ初心者から上級者まで幅広く楽しめる懐の深さにあります。
サウナ初心者にとっては、リーズナブルな料金設定(サウナ込みで1,000円以下)が魅力です。高級サウナ施設だと初めてのサウナに数千円を出すのは勇気がいりますが、改良湯なら気軽に体験できます。また、スタッフの方も丁寧に案内してくれるので、初めてでも安心して利用できます。
一方、上級者にとっては本格的なサウナ設備が魅力です。100度の高温サウナ、12度の冷たい水風呂、アディロンダックチェアを備えた外気浴スペース、そしてアウフグースまで体験できるのは、サウナマニアの期待に応える内容です。「あまみ」を追求するサウナーにとっても、絶好の環境が整っています。
また、改良湯には銭湯ならではの魅力もあります。炭酸泉や変わり湯など、サウナ以外の楽しみ方もできるのは銭湯の強みです。サウナだけでなく、「お風呂に浸かる」という日本古来の入浴文化も同時に楽しめます。
さらに、改良湯の地域に根差した雰囲気も、初心者から上級者まで共感できる魅力の一つでしょう。営利目的だけではない、長年地域に愛されてきた銭湯の温かみは、訪れる誰もが感じることができるはずです。
サウナと銭湯、伝統と革新、そしてリラックスと刺激…様々な要素がバランス良く融合しているからこそ、幅広い層に支持される「懐の深い」施設になっているのだと思います。

「また来たい」と思わせる改良湯の総合的魅力

改良湯を訪れて最も強く感じたのは、「また来たい」という気持ちです。その理由を考えると、いくつかの総合的な魅力が浮かび上がります。
まず、コストパフォーマンスの良さは大きな魅力です。サウナ込みで1,000円以下という価格は、都内のサウナ施設としては破格です。このクオリティでこの価格なら、定期的に通いたくなるのも当然ですね。
次に、変化を楽しめる要素があることも魅力です。週替わりの変わり湯や不定期のアウフグース、季節ごとのイベントなど、毎回違った体験ができる工夫があります。「今日は何が体験できるのかな」という期待感が、何度も足を運ばせる理由になります。
そして、銭湯でありながらサウナーのニーズを的確に捉えた設備も魅力的です。オートロウリュ、適温の水風呂、外気浴スペースなど、「ととのい」を追求するサウナ愛好家の期待に応える環境が整っています。
さらに、アクセスの良さも見逃せません。渋谷駅から徒歩12分という立地は、仕事帰りにも気軽に立ち寄れる距離です。都心にあるため、帰宅途中に寄り道しやすいのも魅力ですね。
そして最後に、スタッフの方々の温かさも挙げたいと思います。特にアウフグースを担当するスタッフさんの熱意と技術は感動ものでした。何度も通ううちに、スタッフの方との交流も生まれそうですね。
これらの魅力が複合的に重なり、「また来たい」という気持ちが自然と湧いてくるのだと思います。さっそく次回の訪問計画を立てたくなる、そんな魅力的な施設でした。

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大塚誠也
大塚誠也
おおつか せいや

サウナ大好きサラリーマン。
外回り中、仕事帰りにサウナを巡っています。
サウナ上がりのオロポとおいしいご飯が大好物
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