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【徹底解説】草加で見つけた天国への入口|本格フィンランド式サウナ「サウナヘヴン草加」で過ごす至福の2時間

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“キートス”という不思議な言葉が飛び交う、埼玉の小さな天国へ。

最近のサウナブームで、どの施設も似たような体験ばかりと感じているあなたに、全く新しいサウナ体験をご紹介します。

草加駅から徒歩5分、市役所前のビルに佇む『サウナヘヴン草加』は、本場フィンランドの公衆サウナをモデルにした話題の施設。

94度の熱気が漂うサウナ室には7段階の階段状ベンチがあり、30分おきに行われるロウリュサービスは、サウナ通をも魅了しています。12度の水風呂と、市役所を望む心地よい外気浴で、究極の”ととのい”を体験できます。

本記事では、サウナマニアの私が実際に体験した、ここでしか味わえない特別な時間を、施設の使い方から楽しみ方まで、徹底的にレポートします。

この記事でご紹介している内容は、現在の状況と異なる可能性がございます。最新情報は公式HPをご確認ください。

天国への誘い – サウナヘヴン草加との出会い

SNSで見かけた天国の噂

最近、SNSのタイムラインで妙に気になる投稿を見かけるようになりました。「キートス」という謎の言葉とともに投稿される草加のサウナの話題。どうやらフィンランド式のサウナがオープンしたらしく、サウナー達の間で話題になっているみたい。僕も東京でいくつかサウナには行きましたが、この「サウナヘヴン草加」という響きが何だかすごく気になります。

特に気になったのが「天国への階段」という表現。サウナ室に7段の階段状の座席があって、上に登れば登るほど熱くなるんだとか。なんだか面白そう。普通のサウナって平坦な作りのところばかりなのに、階段状って斬新ですよね。

それに、スタッフさんが30分おきにロウリュをしてくれるらしい。アロマを使ったり、音楽をかけたり、瞑想的なものまであるみたい。普通のサウナと違って、かなりこだわりが感じられます。これは行ってみるしかない。

でも草加か…東京からちょっと遠いんですよね。電車で30分くらいかかるし。でも、タイムラインに流れてくる「キートス」の数々を見ていると、どんどん行きたい気持ちが募ってきます。あ、そうそう、このキートスってフィンランド語で「ありがとう」という意味らしいですよ。なんだか素敵な響きですよね。

そんなわけで、ついに重い腰を上げることにしました。平日の仕事帰りに寄っていこうかな。夜は21時まで営業しているみたいだし。草加って、煎餅で有名なところですよね。ついでに煎餅でも買って帰ろうかな。なんて考えていたら、もうすっかりワクワクが止まらなくなってきました。

仕事帰りに寄り道することを決意

今日は早めに仕事を切り上げられそう。そうだ、この機会にサウナヘヴン草加に行ってみよう!と思い立ちました。時計を見ると17時過ぎ。ちょうどいいタイミングかも。

会社のデスクを片付けながら、スマホでサウナヘヴンの場所を確認します。草加駅から徒歩5分で、市役所の目の前にあるみたい。草加駅までは東武スカイツリーラインで30分くらい。そうそう、この時間帯って混むんでしたっけ…でも、サウナに行くという決意を固めた今、電車の混雑なんて些細な問題です。

バッグの中を確認します。サウナセット一式は常備しているので大丈夫。

同僚から「お先に失礼します」と声をかけられ、「お疲れさまです」と返事をしながら、なんだか心の中でほくほくしています。だって、これから天国に行けるんですよ。SNSで見た「天国への階段」が、もうすぐ目の前に現れるんです。

電車の中では、サウナヘヴンの情報をスマホでチェック。2時間1500円か、お手頃価格ですね。あ、でも外気浴にはサウナパンツが必要なんだ。レンタルもあるみたいだけど、新しく買おうかな…なんて考えているうちに、だんだん眠くなってきました。寝過ごしたら大変だから、マナーモードでアラームをセットしておこう。

草加駅からの5分間

草加駅の東口を出て、まずは道順を確認。市役所が目印なのは分かっているものの、初めての場所だと少し不安です。でも、地図を見ると結構分かりやすそう。大通りを真っすぐ行けば市役所が見えてくるはずです。

駅前は思ったより賑やかですね。草加煎餅の匂いが漂ってきます。あ、帰りに買って帰ろうと思っていたんでした。でも、サウナ上がりの汗かいた状態で買い物はちょっと…う~ん、また今度にしようかな。

市役所らしき建物が見えてきました。でも、どこにサウナがあるんだろう?と思っていたら、目の前のビルに「SAUNA」の文字が。ああ、これがサウナヘヴンなんだ。思っていたよりも落ち着いた雰囲気の外観です。

フィンランドの公衆サウナをイメージして作られているらしいけど、確かにそんな雰囲気を感じます。というか、フィンランドの公衆サウナって実際どんな感じなんだろう。行ったことないから分からないけど、きっとこんな感じなのかな。

入口の前で深呼吸。なんだか緊張してきました。SNSで見かけた投稿の数々が頭をよぎります。あの「天国への階段」が、この扉の向こうにあるんですね。さあ、入ってみましょう。

市役所前のビルに佇む天国への入口

店内に一歩足を踏み入れると、まず清々しい空気が漂ってきました。受付カウンターの向こうには、フレンドリーな笑顔のスタッフさんが。あれ?女性スタッフさんもいるんですね。

「初めてですか?」と優しく声をかけられ、思わずうなずいてしまいます。2時間コースで1500円。外気浴用のサウナパンツのレンタルが200円。なるほど、合計1700円ですね。支払いを済ませると、下駄箱の鍵とロッカーキーを渡されました。

なんでも、下駄箱とロッカー、小物入れの番号が全部同じになっているそうです。これは分かりやすい!普通のサウナだと、色々な番号を覚えないといけないので、いつも混乱してしまうんですよね。

スタッフさんが丁寧に施設の説明をしてくれます。30分おきにロウリュサービスがあること、外気浴の時はサウナパンツを着用すること、サウナを出るときは一杯だけロウリュをすることなど。あれ?最後の説明、ちょっと聞き逃しちゃいましたけど、きっと大丈夫でしょう。

それにしても、受付の雰囲気がなんだかおしゃれです。壁にかかっているポスターや、販売されているタオルなども、デザインがすごく凝っていますね。あ、そうそう、ドリンクサーバーもありました。ハイボールまであるなんて、ここ本当に天国なんじゃないかな…。

フィンランドを思わせる受付での出会い

受付を済ませた後、スタッフさんが脱衣所まで案内してくれました。途中、「キートス」という言葉が飛び交うのが聞こえてきます。なんだか不思議な空間ですね。

脱衣所に入ると、まず目に入ったのが広々としたロッカースペース。ロッカーの前には座れるベンチもあって、これは使いやすそう。着替えを出し入れする時に、荷物を置く場所に困ることはなさそうです。

あ、喫煙所もあるんですね。サウナ上がりの一服派の人には嬉しい配慮かもしれません。僕は吸わないので関係ないですけど。それにしても、細かいところまで配慮が行き届いているなあ。

スタッフさんが説明してくれた通り、脱衣所から浴室までの導線もすごく分かりやすい。これなら迷子になる心配はなさそうです。さあ、着替えて、いよいよサウナの世界に飛び込んでみましょう。楽しみだなあ。

靴を脱ぎ、ロッカーへと向かう期待感

下駄箱に靴を入れて、スリッパに履き替えます。このスリッパ、意外と履き心地が良いですね。ロッカーの番号を確認しながら、脱衣所へと向かいます。道中、他のお客さんとすれ違いますが、みんな穏やかな表情をしています。ここは本当に天国なのかもしれません。

ロッカーは2段式で、下には小物を置けるスペースもあります。これは便利!サウナセットを取り出して、着替えを始めます。ロッカーの前のベンチが広くて、荷物を広げやすいのも嬉しいポイント。

あれ?となりのお客さんが「キートス」って言いながらロッカーを閉めていきました。なんだか不思議な空間ですね。でも、なんとなく心地よさを感じます。

着替えを終えて、タオルを持って浴室への扉に向かいます。入口には飲み物を保管できるクーラーボックスがありました。なるほど、サウナ上がりの飲み物はここに入れておけばいいんですね。

浴室に入る前に、深呼吸。これから始まる「サウナの旅」に、なんだかドキドキしています。SNSで見た「天国への階段」が、この扉の向こうにあるんですよね。さあ、行ってみましょう。

サウナ室との対面

独特な構造に驚く

浴室に入って、まず目に入ったのがコンクリート打ちっぱなしの無骨な壁。シンプルなのに、なんだかカッコいいですね。シャワーブースは4台。意外と少ないような気もしますが、サウナ特化型の施設だから、これで十分なのかもしれません。

そして、正面に見えたのが、あの噂のサウナ室。ガラス越しに見える内部の構造に、思わず「おお…」と声が出てしまいました。中央にどっしりと構えるストーブ、左右に広がる異なる形状の座席群。これ、本当に一つのサウナ室なんですか?

右側には普通の3段ベンチ、左側には噂の7段階段、そして奥にはなんと寝転がれるスペースまであります。まるで遊園地のアトラクションのような、ワクワクする空間です。

壁にはヴィヒタが数本吊るされていて、なんだか神秘的な雰囲気。天井から吊るされた温度計は94度を指しています。けっこう熱そうですね…。でも、フレッシュな空気が流れ込んでくる換気口もちゃんと設置されているみたい。これなら安心かも。

入口の近くには、ロウリュ用のバケツとひしゃくが置いてあります。そうそう、出るときに一杯だけかけるんでしたっけ。なんだか緊張してきました。

中央に鎮座するikiストーブ

ガラス扉を開けて、いよいよサウナ室の中へ。最初に目に飛び込んでくるのは、中央に威風堂々と構えるikiストーブです。今まで見たサウナストーブの中でも、一番存在感があるかもしれません。

アイボリー色の外装に、上部には不思議な形のメタルの箱が載っています。どうやらここに漢方やハーブを入れているみたいですね。なるほど、だから室内に良い香りが漂っているんですね。

ストーブの上には大きなサウナストーンが積まれていて、時々「ジュウッ」という音を立てています。熱で膨張している音なのかな?何だか生きているみたいです。あ、上の方にやかんも置いてありますね。これはロウリュ用の水なのかな?

ストーブの周りには、まるで劇場の観客席のように、様々な高さの座席が配置されています。どの席に座ろうか迷っちゃいますね。でも、とりあえず様子見で下の方からスタートしようかな。上の方は相当熱そうです。

それにしても、このストーブ、ただ熱を出しているだけじゃなさそうです。室内の空気の流れを作り出しているような気がします。下から上へと緩やかに立ち上る熱気が、なんとも心地よい。

7段の階段状ベンチの謎

左手に目を向けると、そこには噂の「天国への階段」が。1段1段が微妙に高さの違う、7段の階段状ベンチです。まるで天国に続く階段のよう…。なるほど、これが噂の正体だったんですね。

一番上の段には、天井に小さな凹みがあって、そこに頭を入れられるようになっています。凹みの中には「SAUNA IS JOURNEY」という文字が。なんだかワクワクしてきました。でも、今はまだ1段目から様子を見ることにします。

各段には一人分のスペースがしっかり確保されていて、窮屈さを感じません。座面には心地よい木の温もりを感じます。温度計を見ると94度。でも不思議と息苦しさは感じません。

段差は20センチくらいでしょうか。上に行くほど熱そうですが、その分視界も開けていきそうです。まるでヒマラヤを登るみたいですね。あ、でも、ヒマラヤは寒いか…。なんか変な例えしちゃいましたね。

とにかく、この階段状のベンチのおかげで、自分の好みの温度を選べそうです。体調や気分に合わせて、座る位置を変えられるのは面白いアイデアだなあ。

奥に控えるもう一つのストーブ

サウナ室の奥に進むと、そこにはもう一台のストーブが。中央のikiストーブより小さめですが、これもなかなかの存在感です。ZIELというメーカーのストーブみたいですね。

このストーブの前には、まるで秘密基地のような空間が広がっています。天井が低めで、木の枕まで用意されている…これは寝サウナスペースなんでしょうか?誘われるように横になってみると、ストーブからの熱が心地よく体を包み込んできます。

上を見上げると、ストーブの熱で温められた空気がゆっくりと動いているのが分かります。なんだか雲を見ているような気分です。ここなら瞑想もはかどりそう。でも、あまり長居すると暑すぎるかもしれません。

この奥のストーブのおかげで、サウナ室全体の温度バランスが保たれているんでしょうね。中央のストーブだけだと、どうしても温度にムラができそうですが、二台のストーブが協力して、理想的な環境を作り出しているような気がします。

ストーブの上にはやかんが載せられていて、時々「コトコト」という音を立てています。この音を聞いているだけで、なんだか心が落ち着いてきますね。

壁に吊るされたヴィヒタたち

サウナ室の壁を見渡すと、あちこちにヴィヒタが吊るされているのが目に入ります。白樺の葉を束ねて作られたヴィヒタは、まるで森の精霊のように静かに揺れています。その数なんと5、6本。今まで見たサウナの中で一番多いかもしれません。

壁に吊るされたヴィヒタから、かすかに森の香りが漂ってきます。フィンランドの森を歩いているような気分になりますね。あ、でも僕、フィンランドに行ったことないんですけど…。想像でそう感じただけです。

ヴィヒタの間には、なにやら布袋のようなものも吊るされています。中には漢方やハーブが入っているそうです。これらが室内の空気を自然な香りで満たしているんですね。なるほど、だから入った瞬間から良い香りがするわけです。

目の前のヴィヒタを近づいて観察してみると、葉っぱの色や形が微妙に違います。きっとそれぞれ違う時期に作られたものなんでしょうね。使い終わったヴィヒタは、このように壁に吊るして乾燥させておくんでしょうか。

ふと見上げると、天井近くにも小さな棚があって、そこにもヴィヒタが置かれています。あれは予備なのかな?それとも乾燥させているところなのかな?気になりますね。

サウナマットの心地よさ

座面に敷かれたサウナマットが、これまた気持ちいいんです。程よい厚みがあって、座ったときの衝撃を和らげてくれます。木の板に直接座るのとは大違い。これなら長時間座っていても疲れなさそうです。

マットの表面はサラサラしていて、汗をかいても滑りにくい加工がされているみたい。これは安心ですね。階段状のベンチで滑ったら大変なことになりそうですから。

試しに寝転んでみると、これがまた気持ちいい。マットの弾力が程よくて、まるでベッドに寝ているような感覚です。でも、さすがにここで寝るわけにはいきませんよね。熱いし…。

マットの端には「SAUNA HEAVEN」のロゴが控えめに入っています。細かいところまでこだわっているんですね。黒を基調としたシンプルなデザインが、サウナ室の雰囲気にもピッタリです。

ああ、このマット、家にも欲しいな…なんて考えていたら、受付で販売もしているって書いてありましたっけ。帰りに見てみようかな。でも、家で使ってもこの心地よさは再現できないかもしれませんね。やっぱりここで味わうからこそ特別なのかもしれません。

汗と対話する

最下段からの挑戦

まずは様子見ということで、階段状ベンチの最下段に腰を下ろしてみました。このポジション、ストーブの熱が直接当たらないので、初めての人には丁度いいかもしれません。でも、床からの熱気がジワジワと伝わってきます。

サウナマットの上に座り、深呼吸をしてみます。空気がとても綺麗で、息苦しさを全く感じません。時々ストーブの上のサウナストーンから「ジュー」という音が聞こえてきて、なんだか心地よい。

少しずつ汗が出てきました。最初は首筋からポツポツと。それが徐々に背中全体に広がっていきます。この汗の出方が絶妙なんです。急激ではなく、じんわりと。体が少しずつ温まっていくのが分かります。

となりに座っているサウナーさんは、黙々と正面を見つめています。なるほど、ここは「黙浴」の空間なんですね。確かに、静かに汗を流すのって贅沢な時間かもしれません。

そうそう、出るときはロウリュを一杯かけるんでしたっけ。他のお客さんの様子を観察していると、みんな丁寧にロウリュをしていきます。そのたびに「キートス」という言葉が飛び交うんです。なんだか素敵な習慣ですね。

上がっていく体感温度

そろそろ体も温まってきたので、少し上の段に移動してみることにしました。2段目、3段目と上がっていくごとに、確実に温度が上がっていくのが分かります。面白いですね、これ。まるで温度の層を登っていくみたい。

4段目まで来ると、さすがに汗の量が変わってきました。背中から腿にかけて、汗が滝のように流れています。でも不思議と息苦しさは感じません。天井が高いからでしょうか、それとも換気が良いからでしょうか。

5段目に到達。ここまで来ると、もう頭上に熱気の層を感じます。髪の毛が熱くなってきました。でも、この熱さがちょうど心地いい。体の芯から温まっていく感じがします。

ちなみに、各段には一人分のスペースがきっちり確保されているんです。窮屈さを感じることなく、自分のペースで楽しめます。ただ、上の方の席は人気があるみたいで、なかなか空かないんですよね。

そうそう、面白いことに、上に行くほど視界が開けていくんです。サウナ室全体が見渡せるようになって、なんだか特等席に座っているような気分です。ただし、この特等席、かなりの熱さと引き換えですけどね。

“SAUNA IS JOURNEY”との出会い

意を決して、最上段まで上ってみました。ここまで来ると、天井に小さな凹みがあって、そこに頭を入れられるようになっています。そこには「SAUNA IS JOURNEY」という文字が。なるほど、ここまでの道のりも、まさに旅だったわけですね。

最上段からの眺めは圧巻です。サウナ室全体を見渡せて、まるで小さな劇場の観客席にいるような気分。中央のikiストーブも、この高さから見ると、また違った存在感があります。

ただし…かなり熱い。額から汗が噴き出てきて、目に入らないように必死です。これは長居は禁物かもしれません。でも、ここまで来たからには、この景色としっかり向き合いたい。深呼吸をして、じっと耐えます。

天井の凹みに頭を入れると、少し涼しい空気が感じられます。これは意図的な設計なのでしょうか。そして、この「SAUNA IS JOURNEY」という言葉。サウナは旅なんだ、という哲学的なメッセージが、この最上段でより深く響いてきます。

長くは居られませんでしたが、この最上段での体験は特別なものでした。下りる時、ふと思いました。上り下りする度に違った景色が見られる、それもまた旅の醍醐味なのかもしれませんね。

ロウリュサービスの始まり

突然、サウナ室のドアが開いて、スタッフさんが入ってきました。ああ、そうか。30分おきのロウリュサービスの時間だったんですね。

スタッフさんは「ロウリュサービスを始めさせていただきます」と丁寧にアナウンス。手にはアロマウォーターの入った容器を持っています。今回はレモングラスの香りだそうです。

ロウリュが始まると、サウナ室の空気が一変します。ストーブに水がかけられるたびに「ジュワッ」という音とともに、香り高い蒸気が立ち上ります。レモングラスの爽やかな香りが室内に広がっていって、なんだか森の中にいるような気分に。

スタッフさんは丁寧にロウリュを繰り返し、時々団扇で風を送ってくれます。この風が気持ちいいんです。熱い蒸気と涼しい風が交互に来て、体の芯まで温まっていく感じ。

面白いのは、ロウリュの途中で「フレッシュエアー」と言って、ドアを開けて外気を入れ替えてくれること。これのおかげで、いくら熱くなっても息苦しさを感じません。本場フィンランドでもこんな感じなんでしょうか。

タオルと団扇が織りなす風

ロウリュサービスの中でも特に印象的だったのが、スタッフさんのタオルさばき。タオルを大きく回して風を作り出すんです。その技術が見事で、まるでダンスを見ているよう。

風は決して強すぎず、でも確実に熱い空気を運んでくれます。上の段にいても下の段にいても、まんべんなく風が届くように計算されているんでしょうね。

時には団扇での風送りもあります。一人一人に向けて、丁寧に風を送ってくれます。「何回にしますか?」と聞かれて、「3回で」とお願いすると、ちゃんと3回だけ風を送ってくれる。この細やかさがすごいです。

タオルと団扇を使い分けることで、違った種類の風を作り出しているんですね。タオルの風は広い範囲にやさしく、団扇の風は一点を狙って強く。なるほど、これが「フィンランド式」なんでしょうか。

ロウリュが終わるたびに、お客さんから「キートス!」という声が上がります。最初は恥ずかしくて言えなかったんですが、なんとなく口をついて出てきました。「キートス!」って、言うだけで心が温かくなりますね。

アロマの香りに包まれて

ロウリュサービスで使われるアロマの種類が実に豊富なんです。先ほどのレモングラスに始まり、ラベンダー、ミント、ヨモギ…。時間帯によって違う香りを楽しめるみたいです。

中でも印象的だったのが、ハーバルブレンド。複数のハーブをブレンドした香りで、それはそれは贅沢な香り。サウナストーンにかけられた瞬間、室内が森林浴しているような雰囲気に包まれます。

面白いのは、香りと温度がうまく調和していること。例えばミントの香りのときは、涼しさを感じられるように温度を少し高めに。逆にラベンダーのときは、リラックスできるように温度を抑えめに調整しているような気がします。

ストーブの上部に設置された箱には、常時ハーブが入っているそうです。だから、ロウリュの時間じゃなくても、うっすらといい香りがするんですね。これって、かなりこだわった設計だと思います。

時々、ヴィヒタの香りも混ざってきて、その調和が絶妙。まるでフィンランドのサウナで過ごしているような…って、また言っちゃいましたけど、本当のフィンランドのサウナは知らないんですけどね。でも、きっとこんな感じなんじゃないかなって思います。

氷水の洗礼

12度の衝撃

サウナを出て、いよいよ水風呂へ。温度計を覗き込むと、なんと12度!うわ、冷たそう…。でも、今の体は相当熱くなっているはずだし、きっと気持ちいいはず。そう自分に言い聞かせて、ゆっくりと階段を降りていきます。

最初は足先から。うっ、冷たい!でも、この冷たさが心地いい。むしろ欲しかった感じです。少しずつ体を沈めていって…ぷはっ!思わず声が出そうになるのを必死で我慢。ここは黙浴の空間ですからね。

水の中で深呼吸をしてみます。不思議と、さっきまでの暑さが嘘のように消えていきます。体の芯から冷えていくような感覚。でも、苦しいというより、むしろ気持ちいい。

水風呂は思ったより広めで、5、6人は余裕で入れそうです。今は他のお客さんもいないので、ゆっくりと浸かっていられます。天井から吊るされたロープにつかまりながら、じっと耐えます。

温度計の12度という数字が、妙に印象的です。家のお風呂なら絶対に入りたくない温度なのに、サウナ上がりだとこれが最高に気持ちいい。人間って不思議ですね。

コンクリート打ちっぱなしの趣

水風呂の壁は、コンクリートの打ちっぱなし。一見シンプルですが、それがかえって洗練された雰囲気を醸し出しています。まるでモダンアートの展示室にいるような、そんな気分になります。

壁に手をあててみると、ひんやりとした感触。水面に反射する照明の光が、コンクリートの壁に揺らめいて、なんとも幻想的な雰囲気を作り出しています。

隅には備長炭らしき物が吊るされていて、水質の浄化に一役買っているんでしょうね。塩素の匂いはするものの、それほど強くありません。水はとても澄んでいて、底まではっきり見えます。

コンクリートの質感が、この空間をより引き締まった印象にしているような気がします。装飾を極力抑えた分、水風呂本来の機能に集中できる。これぞミニマリズムの極みかもしれません。

そういえば、黄金湯という銭湯の水風呂も、こんな感じだったなあ…なんて考えていたら、もう1分経っていました。そろそろ上がりましょう。

天井から伸びる命綱

水風呂の真ん中には、天井から太めのロープが垂れ下がっています。最初は何かと思ったんですが、これが実に使いやすい。冷たい水の中で体を支えるのに、このロープが大活躍します。

ロープを握りながら、体を沈めていくと安心感が違います。普通の水風呂だと、端っこにしがみついたりするんですが、ここではロープのおかげで水風呂の真ん中でも安定して入れます。

面白いのは、このロープの存在が、なんとなく船の錨のように見えること。まるで大海原に浮かんでいるような気分になります。水風呂に浸かりながら、ふと海を漂流している自分を想像してしまいました。

ロープの端には、握りやすいように少し太くなっている部分があって、これがまた絶妙な太さなんです。手が滑る心配もないし、疲れることもない。細かいところまで、使う人のことを考えて作られているんだなあと感心します。

時々、ロープが揺れて水面に波紋が広がります。その様子を眺めているだけでも、なんだか心が落ち着きます。12度の水の中で、命綱を握りしめながら瞑想する。なんだか禅問答みたいですね。

体の芯まで染み渡る冷たさ

水風呂に浸かって1分が経過。体が芯から冷えていくのを感じます。さっきまでサウナで熱されていた体が、みるみる冷却されていく。この感覚がたまらないんです。

面白いのは、最初は「冷たい!」としか感じなかった水が、段々と気持ちよく感じられてくること。体温が下がってくるにつれて、水との温度差が縮まっていくんでしょうね。

特に背中から太もものあたりが気持ちいい。サウナで一番汗をかいていた部分だけに、この冷たさが心地よく感じられます。まるで熱を吸い取ってくれているみたい。

水面から顔を出して深呼吸すると、冷たい空気が肺いっぱいに広がります。この瞬間、体の中から「ありがとう」という気持ちが湧いてくるんです。なんだか変な表現ですけど。

そろそろ上がり時かな。体が軽くなった気がします。サウナで重くなった体が、この水風呂で生まれ変わったような。さあ、次は外気浴の時間です。ああ、でもその前にサウナパンツに着替えないと。

深呼吸のリズム

水風呂での呼吸って、結構難しいんです。最初は思わず息を止めそうになるんですが、ゆっくりと呼吸を整えていくのがコツみたい。私なりに「3秒吸って、6秒吐く」というリズムを作ってみました。

このリズムで呼吸を続けていると、不思議と水の冷たさが気にならなくなってきます。むしろ、この冷たさが心地よく感じられてくる。体の芯から冷やされていく感覚に、だんだん身を委ねられるようになってきました。

面白いのは、このリズム呼吸をしていると、まるで時間の感覚が違ってくること。1分って、普段はあっという間なんですが、この水風呂の中では永遠とも一瞬とも感じられます。

時々、隣に人が入ってきても、みんな同じように静かに呼吸を整えています。この空間では、呼吸の音だけが響いているんです。なんだか禅寺にいるような、そんな気分になってきます。

ただ、たまに思わず「プハッ」という音を出しそうになって、必死で我慢することも。この施設では「黙浴」が基本なので、声を出さないように気をつけないと。でも、他のお客さんも時々こらえきれない様子で、なんだか親近感を感じます。

水から上がる瞬間の爽快感

いよいよ水風呂から上がるとき。これがまた気持ちいいんです。水から出た瞬間、体が驚くほど軽く感じられます。まるで重力から解放されたような、そんな感覚。

面白いのは、寒くないんです。むしろ心地よい温かさを感じます。サウナで温められた体が、水風呂でリセットされて、絶妙な温度になったような感じ。これぞ「ととのい」というやつでしょうか。

階段を上がりながら、体から水が滴り落ちていきます。その一滴一滴に、さっきまでの疲れが溶け込んでいるような気がします。なんだか詩的な表現になってしまいましたが、本当にそんな気分なんです。

シャワーで軽く体を流してから、サウナパンツに着替えます。ここの外気浴は水着着用が必須なんです。市役所の目の前という立地を考えると、納得ですね。

さあ、これから外気浴。体がこんなにも軽くなった状態で、外の空気を味わえるなんて。今から楽しみです。きっと気持ちいいんだろうな。そう思いながら、外気浴スペースへの扉に手をかけました。

外気浴という儀式

サウナパンツの着用

水風呂から上がって、いよいよ外気浴の準備です。といっても、まずはサウナパンツに着替えないと。このサウナパンツ、最初は「面倒だなあ」って思ったんですが、実はこれがなかなかの優れもの。

レンタルのサウナパンツは、シンプルな黒の短パン型。履き心地が良くて、サイズ感も丁度いいんです。何より、濡れた体にも簡単に履けるように工夫されているみたい。生地も速乾性があって、これなら何度でも水風呂と外気浴を繰り返せそうです。

着替えながら、ふと窓の外を見ると、市役所のビルが見えます。そうか、だからサウナパンツが必要なんですね。全裸で外気浴していたら、さすがに市役所の人たちも困っちゃいますもんね。

面白いのは、このサウナパンツ姿が、この施設の中では当たり前になっていること。みんな自然に着替えて、外気浴に向かいます。なんだか海水浴場にいるような、そんな雰囲気です。

着替えを済ませて、小物入れから飲み物を取り出します。これから始まる外気浴が、今から楽しみです。さあ、いよいよ扉の向こうの世界へ。きっと気持ちいいはず…。

アディロンダックチェアとの出会い

外気浴スペースに一歩足を踏み入れると、そこには15脚ほどのアディロンダックチェアが並んでいました。木製の椅子で、背もたれが大きく傾いているのが特徴です。これ、見た目以上に座り心地が良いんですよ。

特に嬉しいのが、足を乗せるスペースがあること。レッグレストって言うんですかね。これのおかげで、体全体をリラックスさせることができます。まるでリゾートのプールサイドにいるような気分です。

椅子と椅子の間隔も絶妙。隣の人と適度な距離が保てるように配置されているんです。プライバシーは確保しつつ、でも孤立感は感じない。こういう細かい配慮って、すごく大切だなって思います。

それと、インフィニティチェアというものも1脚だけ置いてあるんです。黄色い特別な椅子で、より深くリクライニングできるタイプ。これに座れると、まるで宇宙空間に浮いているような感覚になれるとか。でも、人気の席なので、なかなか空いてないんですよね。

木製の椅子って、濡れた体で座っても気持ち悪くないんです。むしろ、木の温もりが心地よく感じられます。自然と目を閉じて、深いため息が出てしまいます。ああ、これが「ととのう」ってことなのかな。

市役所を見上げる贅沢

アディロンダックチェアに深く腰掛けると、目の前には草加市役所の建物が聳え立っています。昼間だと普通のオフィスビルですが、夜になると窓明かりが織りなす光景が幻想的なんです。

面白いのは、この外気浴スペースから見上げる市役所の景色が、意外と心地よいこと。普段は何気なく通り過ぎる建物なのに、こうしてサウナ上がりの心地よい状態で見上げると、なんだか違って見えるんです。

時々、市役所の窓から人影が見えることもあります。きっと向こうからは、サウナパンツ姿の僕たちが見えているんでしょうね。なんだか不思議な関係性です。でも、お互いの存在を認め合っているような、そんな距離感が心地よく感じられます。

建物の向こうに見える空も素敵です。夕暮れ時だと、オレンジ色に染まった雲が流れていったり。昼間なら、青空に浮かぶ雲を眺めながらぼんやりできます。これって、都会の真ん中で自然を感じられる貴重な時間かもしれません。

ふと考えると、市役所の職員さんたちは仕事の合間にここに来られるんですよね。なんだかうらやましい。疲れたら天国に行けるなんて…。あ、でも僕も今、天国にいるんですけどね。

風鈴の音色に癒される

外気浴スペースには、さりげなく風鈴が吊るされています。その透明なガラスの風鈴が、時折そよ風に揺られて「チリン」という涼やかな音を奏でるんです。

この音が絶妙なんです。強すぎず弱すぎず、まるで自然の一部のような心地よさ。目を閉じていると、まるで縁側で涼んでいるような、そんな懐かしい気分になります。

面白いのは、この風鈴の音と外の環境音が見事にマッチしていること。車の音や人の声も、この風鈴の音と混ざることで、なんだか心地よい環境音楽になっているような気がします。

夜になると、この風鈴の音がより一層印象的になります。暗くなって視覚が制限される分、聴覚が研ぎ澄まされるのかもしれません。静かな夜の外気浴で、風鈴の音に耳を傾けるのは特別な体験です。

たまに風が強い日があって、風鈴が激しく鳴ることもあります。でも、それもまた良いんです。その日その日の風を、風鈴が音に変えて教えてくれているみたい。なんだか素敵ですよね。

蚊取り線香の香りに浸る

外気浴スペースの片隅には、なんと蚊取り線香が置かれています。この香りが、また絶妙なんです。どこか懐かしい香りが、ふわっと漂ってきます。

最初は「えっ、蚊取り線香?」って思いましたが、これが意外と心地よい。サウナ上がりの整った状態で嗅ぐ蚊取り線香の香りって、なんだか実家の縁側を思い出すような、そんな懐かしい気持ちにさせてくれるんです。

蚊取り線香の煙が、ゆらゆらと立ち上っていく様子を眺めるのも面白い。風に揺られて、時には渦を巻いたり、まっすぐ上に昇ったり。これって、一種の瞑想になりますよね。

もちろん、虫除けとしての効果もバッチリです。外気浴中に蚊に刺されたら台無しですからね。実用的かつ雰囲気作りにも一役買っている。なんだか素敵な工夫だなって思います。

時々、この蚊取り線香の香りと、サウナ室から漂ってくるヴィヒタの香りが混ざり合うんです。これがまた不思議と調和していて。フィンランドと日本の夏の風物詩が出会ったような、そんな感じがします。

インフィニティチェアでの至福

外気浴スペースの一番奥には、1脚だけ特別な椅子が置いてあります。黄色いインフィニティチェア。これに座れるのは、ある意味宝くじ並みの運の良さが必要かもしれません。

今日は運良く空いていたので、思い切って座ってみることに。うわ…これはすごい。背もたれの角度が他の椅子より深くて、まるで空に溶けていくような感覚です。視界いっぱいに空が広がって、雲の流れを眺めていると、時間を忘れてしまいそう。

このチェアの前には扇風機が設置されていて、心地よい風が送られてきます。サウナ上がりの熱い体に、この風が気持ちよすぎて。思わずウトウトしてしまいそうになります。

座っていると、風鈴の音、蚊取り線香の香り、空を流れる雲…全てが完璧なバランスで存在していることに気づきます。これって、偶然じゃないですよね。きっと誰かが、この至福の時間のために細かいところまで計算したんだろうなって。

ただ、あまりに気持ちよくて、次のサウナに行くタイミングを逃しそうになります。でも、それもまた良しとしましょう。だって、ここは天国なんですから。

楽園での過ごし方

寝サウナの誘惑

サウナ室の奥には、ちょっと特別なスペースがあります。天井が低めで、木の枕まで用意された寝サウナスペース。これが、また魅力的なんです。

初めは「寝るなんてちょっと怖いかな」って思っていたんですが、一度試してみると、その心地よさに驚きました。枕の位置が絶妙で、ちょうどいい角度で横になれるんです。しかも、この場所だけ天井が低いので、熱が溜まりすぎず、程よい温度で楽しめます。

面白いのは、横になることで体感温度が変わること。立っている時より、ずっとマイルドに感じられます。目を閉じて、ゆっくりと呼吸をすると、まるで森の中で昼寝をしているような感覚に。

ただし、気をつけないといけないのは、あまりに気持ちよくて本当に寝てしまいそうになること。実際、うっかりウトウトしてしまって、隣の人の物音で目が覚めたことも。ちょっと恥ずかしかったですね。

でも、5分くらいなら、この寝サウナが一番リラックスできる気がします。体の力を完全に抜いて、熱気に包まれる感覚。これって、赤ちゃんの時の記憶に近いのかもしれませんね。なんて考えながら、またウトウトしそうになります。

ストーブ前での瞑想

中央のikiストーブの前に座ると、まるで暖炉の前にいるような気分になります。ストーブから放射される熱が、真正面から体を温めてくれるんです。

面白いのは、ここに座ると自然と姿勢が良くなること。背筋が伸びて、おへそに向かって深い呼吸が自然とできるようになります。まるでヨガのレッスンを受けているような感覚です。

ストーブの上のサウナストーンから立ち上る蒸気を眺めているだけでも、なんだか瞑想しているような気分になれます。時々「ジュー」という音を立てながら、熱い空気が上昇していく様子は、見ていて飽きません。

黙浴の時間帯だと、この場所が特に素晴らしいんです。静寂の中で、ただストーブを見つめる。それだけなのに、なんだか心が整理されていくような感覚があります。

ただし、ここは結構人気の場所。長居は避けて、他の人にも譲り合いながら楽しむのがマナーですね。でも、短い時間でも十分。この場所での5分は、とても濃密な時間になります。

メディテーションロウリュの世界

21時30分からの「メディテーションロウリュ」は、この施設の隠れた名物なんです。サウナ室の照明が落とされて、ほの暗い空間に。まるで別世界に入り込んだような感覚です。

店長さんが静かな声で「目を閉じて、深呼吸をしてください」と案内してくれます。ヴィヒタの香りがする中、ゆっくりとロウリュが始まります。音楽はなし。ただ水がストーブに落ちる音だけが響きます。

面白いのは、このロウリュが45分間も続くこと。途中で出入り自由なので、自分のペースで楽しめます。私は10分くらい入って、水風呂で冷やして、また戻るというサイクルを繰り返しました。

暗闇の中でじっと座っていると、不思議と雑念が消えていきます。頭の中がスッキリしていく感覚。たまに店長さんが「お疲れ様でした」って優しく声をかけてくれるんですが、その声が天使の声のように感じられます。

ただし、このメディテーションロウリュ、結構人気なんです。早めに行かないと、お気に入りの場所が取れないかも。でも、どの場所でも、この特別な時間を楽しめます。これぞ「天国」って感じですね。

階段状ベンチでの冒険

7段ある階段状のベンチで、自分好みの場所を探す楽しみがあります。最初は1段目から始めて、徐々に上に登っていく。まるで山登りのような感覚です。

面白いのは、1段上がるごとに体感温度が変わること。3段目くらいまでは「まだいけるかな」って感じなんですが、4段目を超えると急に熱く感じます。5段目以降は、もう修行の世界。でも、そこがまた面白いんです。

各段には一人分のスペースがあって、他の人と適度な距離を保てるのも良いポイント。高いところが苦手な人は下の方で、もっと熱さを求める人は上の方で。みんなが自分の居場所を見つけられる、そんな空間なんです。

時には、真ん中あたりの段で、上を見上げることも。すると、上の方で汗を流している人たちの姿が。みんな一様に真剣な表情で、まるで悟りを開こうとしている修行僧のよう。

私も時々、意を決して最上段にチャレンジします。でも、長くは居られないんですよね。3分くらいが限界かな。それでも、そこからの景色は格別です。サウナ室全体を見渡せて、まるで小さな劇場の特等席にいるような気分になれます。

フレッシュエアの恵み

サウナ室の入口近くには、大きな隙間が設けられています。これが実に良い仕事をしているんです。熱気と新鮮な空気が絶妙なバランスで混ざり合う、まるで自然の空調システムのよう。

面白いのは、この隙間からの空気の流れ方。床近くから入ってきた冷たい空気が、徐々に暖められながら上昇していくんです。その様子を観察しているだけでも、なんだか面白い。時々、ロウリュの蒸気がこの気流と出会って、不思議な渦を作ったりするんです。

このフレッシュエアのおかげで、サウナ室内は常に呼吸がしやすい状態が保たれています。94度という高温なのに、息苦しさをほとんど感じないのは、この換気システムのおかげかもしれません。

ロウリュの時には、スタッフさんがこの換気口を上手く使って室内の空気を調整してくれます。「フレッシュエアー入れますよ」って言って、ドアを開けて外気を取り込んだり。これがまた絶妙なタイミング。

ただし、この換気口の近くは意外と涼しいので、サウナ初心者の私には、最初の馴らし運転にぴったりでした。徐々に奥の方に移動して、少しずつ熱さに慣れていく。そんな使い方もできるんです。

ハーバルロウリュの深み

店長さんこだわりのハーバルロウリュは、まさに芸術です。ヨモギやモリンガなど、様々なハーブをブレンドした水をストーブにかけると、部屋中が森林のような香りで満たされます。

特に印象的なのが、ロウリュの途中で使われる「ザル氷」という技。氷の入ったザルの上にヴィヒタを置いて、それをストーブの上に設置するんです。氷が溶けるたびに、ポタポタとストーンに水滴が落ちて、自然なロウリュが生まれる。これが絶妙なんです。

香りも波のように変化していきます。最初は爽やかなハーブの香り、途中からヴィヒタの森の香り、最後はまた違った香りが…。まるでアロマテラピーのような、でもそれ以上に奥深い体験です。

時々、店長さんが「この香りは…」と説明してくれるんですが、正直半分くらいしか覚えられていません。でも、それも含めて楽しいんです。毎回新しい発見があって、「あ、この香り好きだな」って思ったり。

ただし、このハーバルロウリュ、人気なので結構混みます。でも、待っている時間も楽しいんです。他のお客さんと一緒に、今日はどんな香りかなって期待しながら。サウナって、待つ時間も含めて楽しめる場所なんだなって思います。

天国の食堂

鹿肉ソーセージとの邂逅

脱衣所に戻ってくると、なんとも食欲をそそる香りが。ソーセージを焼く音と香ばしい匂いに誘われて、ついつい注文してしまいました。鹿肉ソーセージって、珍しいですよね。

注文すると、スタッフさんが目の前で丁寧に焼いてくれます。脱衣所でソーセージを焼くって、なんだか不思議な光景なんですが、ここではそれが日常なんです。他のお客さんも「いい匂いですね」って笑顔で通り過ぎていきます。

焼き上がったソーセージは、想像以上の美味しさ。ジューシーなのに、くどくない。鹿肉特有の臭みも全然なくて、むしろ上品な味わい。これ、サウナ上がりにピッタリですね。

面白いのは、このソーセージを食べながら、他のお客さんとの会話が自然と生まれること。「美味しそうですね」「どんな味ですか?」って。普段は静かな脱衣所が、ちょっとした社交場になるんです。

ただし、人気メニューなので売り切れることも。早めに予約しておいた方が良いかもしれません。でも、売り切れでがっかりしているお客さんを見かけると、「次回はぜひ食べてみてください」って声をかけたくなります。だって、本当に美味しいんですから。

天国ハイボールの誘惑

受付カウンターの横に、なんとハイボール専用のサーバーが。これには思わず二度見してしまいました。普通のサウナにハイボールなんて…。でも、よく考えたら天国なんですよね、ここは。

ウイスキーはスーパーニッカやジョニ黒など、定番の銘柄が揃っています。値段も良心的で、サウナ上がりの喉を潤すにはぴったり。ただし、私は運転があるので今回は断念。でも、電車で来ている人が美味しそうに飲んでいる姿を見ていると、次は電車で来ようかなって思ってしまいます。

面白いのは、このハイボールを飲みながら、脱衣所で寛いでいる人たちの表情。まるで天国でくつろいでいるような、この上ない満足感に満ちています。時々「プシュー」という音が聞こえてきて、思わずよだれが…。いや、運転があるんでした。

とりあえず、次回は電車で来ることを決意。鹿肉ソーセージとハイボールの組み合わせって、どんな味なんでしょうね。今から楽しみです。ただし、飲みすぎて寝過ごさないように気をつけないと。草加って、結構遠いんですよね…。

ガラナとの再会

ドリンクコーナーにコアップガラナを見つけた時は、思わず声を上げそうになりました。懐かしい!北海道でしか飲めないと思っていたのに、まさかここで出会えるなんて。

ガラナって、サウナ上がりの喉にぴったりなんです。甘すぎず、でもしっかり爽やかな炭酸。特に水風呂上がりに飲むと、なんとも言えない幸福感があります。しかも、よく冷えていて、缶を持った瞬間から心が躍ります。

面白いのは、このガラナを注文する人が結構多いこと。きっと、みんなサウナー的な感性で、このドリンクの良さを分かっているんでしょうね。時々「これ、美味しいですよね」って話しかけられることもあります。

ガラナを飲みながら、ふと北海道のサウナを思い出します。寒い外気浴の後に飲んだガラナの味。あの時もこんな気持ちだったなぁ。なんだか懐かしくて、でも今ここにいることが嬉しくて。変な感傷に浸ってしまいます。

ただし、このガラナ、けっこうカフェインが強いみたいなので、夜遅くに飲むのは控えめにした方が良さそうです。でも、この味わいを求めて、また来てしまいそうな予感。

デトックスウォーターの癒し

受付近くに、大きなウォーターサーバーが置いてあります。普通の水かと思いきや、なんとデトックスウォーター。レモンやハーブが浮かんでいて、見た目も綺麗なんです。

このデトックスウォーター、無料なのにすごく手が込んでいます。その日によって中身が変わるみたいで、今日はレモンとミントの組み合わせ。見た目も爽やかで、写真を撮りたくなるような美しさ。

味も絶妙です。レモンの酸味とミントの清涼感が、サウナで失われた水分を補給するのにぴったり。しかも、冷たすぎない温度に調整されているので、ゴクゴク飲めます。

面白いのは、このウォーターサーバーの周りに自然と人が集まること。「今日は何のフレーバーですか?」「おいしいですね」なんて会話が生まれます。黙浴が基本のサウナ室とは違って、ここは交流の場になっているんです。

ただ、あまりにも美味しくて、つい飲みすぎてしまいそうになります。でも、それも含めてここでの楽しみ方なのかもしれません。天国だもの、少しくらい贅沢しても良いですよね。

岩塩の使い方

水を飲むコーナーには、シチリア産の岩塩が置かれています。最初は「えっ、塩?」って思いましたが、これが意外と奥が深いんです。

使い方は簡単。コップの水に少しだけ入れるだけ。ただし、ここで要注意。最初に私がやった時は、うっかり入れすぎちゃって、海水みたいになっちゃいました。みなさん、気をつけてくださいね。適量は本当に少しだけです。

このほんの少しの塩が、サウナでの発汗で失われた塩分を補給してくれるんです。しかも、ただの塩じゃなくてシチリア産の岩塩。なんだかちょっと贅沢な気分になれます。

面白いのは、この塩を入れた水を飲むと、なんだか体が喜んでいるような感覚があること。「ああ、これが欲しかったんだ」って感じです。サウナの後って、体が正直なんですよね。

ただし、この岩塩、人気者なので時々切れていることも。その時は普通の水でも十分美味しいんですけど、やっぱり塩水の方が体に染み渡る感じがします。

休憩スペースでの団欒

脱衣所のベンチって、ただの休憩スペースじゃないんです。ここは、サウナーたちの社交場でもあります。もちろん、一人で静かに過ごすこともできますが、自然と会話が生まれる不思議な空間なんです。

ベンチは木製で、座り心地が良くて。長居しすぎちゃうくらい快適です。背もたれの角度も絶妙で、ちょうど良い力の抜け具合。これ、絶対考えて作ってますよね。

面白いのは、ここでの会話の内容。サウナの話題で盛り上がったり、時には人生相談みたいになったり。みんな整った状態だから、普段なら話せないようなことも自然と話せちゃうんです。

ただし、大声で盛り上がるようなことはありません。みんな適度な距離感を保ちながら、でも温かい雰囲気を共有している。この空気感って、なかなか他では味わえないかもしれません。

そうそう、ここでよく聞こえてくる「キートス」という言葉。フィンランド語で「ありがとう」という意味らしいんですが、なんだかこの空間にぴったりな響きですよね。

天国の住人たち

スタッフたちの笑顔

この施設のスタッフさんたち、本当に素敵な方ばかりなんです。受付の方は、初めて来た私に丁寧に施設の説明をしてくれました。緊張していた私の気持ちを和らげてくれるような、温かい笑顔が印象的でした。

ロウリュをしてくれるスタッフさんは、それぞれに個性があって面白いんです。店長さんは落ち着いた雰囲気で、まるで修行僧のよう。若いスタッフさんは活気があって、エネルギッシュ。女性スタッフさんは優しい声で語りかけてくれて、まるで天使みたい。

面白いのは、スタッフさんたち同士の仲の良さです。時々、ロウリュの交代時に見せる息の合ったやりとりとか。「お疲れさま」「ありがとう」の声の掛け合いとか。見ているこっちまで温かい気持ちになります。

特に印象的なのは、お客さんへの気配りです。体調が悪そうな人がいると、さりげなく声をかけたり。サウナ初心者っぽい人には、丁寧にアドバイスしたり。こういう細かな心遣いが、この場所を特別なものにしているんだと思います。

ただ、スタッフさんたちも人間なので、忙しそうな時もあります。でも、そんな時でも笑顔は絶やさない。この「おもてなし」の心って、まさに天国にふさわしいですよね。

キートスの響き

サウナ室で最も多く聞こえる言葉、それが「キートス」です。フィンランド語で「ありがとう」という意味なんですが、この言葉がなんだかすごく心地いい。

最初は恥ずかしくて言えなかったんです。でも、周りの人が自然に使っているのを見ていると、だんだん自分も言いたくなってきて。今では、ロウリュのあとに思わず「キートス!」って声が出てしまいます。

面白いのは、この言葉を言い合うことで生まれる一体感。見ず知らずの人同士なのに、なんだか仲間意識が芽生えてくるんです。「キートス!」「キートス!」って、まるで小さな合唱みたいで。

でも、決して強制じゃないところが良いんです。言いたい人が、言いたい時に、言いたいように。そんな自然な雰囲気があります。時々、初めての人が「キートス?」って首を傾げる姿も見かけますが、それもまた微笑ましい光景です。

この「キートス」って、単なる「ありがとう」以上の意味があるような気がします。サウナで過ごす特別な時間への感謝、一緒に汗を流す仲間への感謝、そんな想いが全部詰まっているんじゃないかな。なんて、少し考えすぎでしょうか。

サウナー同士の距離感

このサウナの面白いところは、独特な距離感なんです。黙浴が基本なので、サウナ室の中ではみんな静かです。でも、なんだか温かい空気が流れているんです。

例えば、サウナ室で場所を詰めるとき。言葉を交わさなくても、ちょっとした目配せや軽い頷きだけで伝わり合えます。「ここ空いてますよ」「ありがとうございます」が、全部無言で。なんだか不思議な体験です。

水風呂では、お互いの存在を意識しながらも、適度な距離を保っています。狭い空間なのに、なんだかゆったりとした気分になれるんです。みんなが暗黙のルールを理解しているからでしょうか。

外気浴スペースでは、また違った雰囲気になります。時々、小さな会話が生まれることも。「今日は風が気持ちいいですね」とか、「風鈴の音、いいですね」とか。でも、決して押しつけがましくない。

面白いのは、常連さんと初めての人との関係性。常連さんたちは、さりげなく初心者をフォローしてくれたりします。でも、それも控えめに。相手の空間を大切にしながら。この絶妙な距離感って、なかなか素敵だと思います。

黙浴の心地よさ

「黙浴」って最初は緊張しました。でも、だんだんその良さが分かってきたんです。静寂の中で、自分の呼吸や心臓の鼓動に集中できる。なんだか特別な時間のような気がします。

サウナ室では、みんなが同じように静かに過ごしています。スマートフォンもなし、おしゃべりもなし。ただ、熱と向き合う時間。これって、現代社会では意外と貴重な体験かもしれません。

時々、ロウリュの水がジュッと音を立てたり、誰かが深いため息をついたり。でも、それも心地よい。そういう自然の音が、むしろ静けさを際立たせているような気がします。

面白いのは、この「黙浴」が、逆に人と人との繋がりを深めているように感じること。言葉を交わさなくても、同じ時間、同じ空間で、同じ熱さを感じ合う。それだけで、なんだか心が通じ合えている気がするんです。

ただし、たまに思わず声が出そうになることも。特に水風呂に入った時とか。でも、そんな時は深呼吸で乗り切ります。この自己抑制も、また修行の一つなのかもしれませんね。

スタッフロウリュの魅力

30分おきに行われるスタッフロウリュが、このサウナの大きな特徴なんです。それぞれのスタッフさんが、個性豊かなロウリュを披露してくれます。時にはアロマを使ったり、音楽をかけたり、瞑想的な時間を作ったり。

特に印象的なのは、店長さんのメディテーションロウリュ。21時30分から45分間も続く特別な時間です。照明を落として、ただ静かにロウリュの蒸気を感じる。なんだか修行僧になったような気分になります。

若いスタッフさんたちのロウリュも面白いんです。音楽に合わせて団扇を振ったり、タオルを回したり。時には「筋トレロウリュ」なんていう企画も。サウナ室の中で筋トレって、ちょっと考えられないですよね。でも、不思議と楽しい。

女性スタッフさんのロウリュは、また違った魅力があります。優しい声で語りかけながら、丁寧にロウリュを重ねていく。アロマの選び方も繊細で、まるでアロマテラピーを受けているような気分に。

面白いのは、スタッフさんたちが常に新しいことに挑戦していること。昨日と今日で同じロウリュはない。毎回何か違う発見があって、それがまた楽しみの一つになっています。

常連たちの過ごし方

常連さんたちの過ごし方を観察するのが、密かな楽しみだったりします。みなさん、それぞれのこだわりがあって面白いんです。

例えば、必ず最上段で過ごす人。黙々と熱気と向き合っています。最上段って相当暑いはずなんですが、まるで涼しい顔。すごいな…。

逆に、いつも寝サウナスペースを使う人もいます。この方、毎回同じタイミングでやってきて、決まった時間だけ横になるんです。きっと、自分なりのリズムを見つけているんでしょうね。

面白いのは、ロウリュのスケジュールを完璧に把握している人たち。お気に入りのスタッフさんのロウリュに合わせて来店する。その dedication っていうか、なんかすごいなって思います。

でも、誰も他人に自分のやり方を押し付けたりしません。それぞれが自分のペースで、自分の「天国時間」を過ごしている。この自由な雰囲気が、とても心地よいんです。私も、いつか自分なりの過ごし方を見つけられたらいいな。

帰路に着く

最後の一セット

「さあ、そろそろ帰らないと」と思いながらも、どうしてもう一セットだけ入りたくなってしまうんです。これが天国の誘惑というやつでしょうか。

最後のセットは、いつもより丁寧に。サウナでは、今日一番高い段に挑戦してみたり。水風呂では、いつもより長めに。外気浴では、風鈴の音に耳を傾けながら、今日一日を振り返ってみたり。

不思議なのは、最後のセットって、なんだか特別な気がすること。同じことをしているはずなのに、一つ一つの動作が心に染みます。さっきまでの疲れが、すっかり消えているのが分かります。

ロウリュも、最後だからこそ心を込めて。水をかける量も、いつもより少し多めに。「キートス」の声も、より一層響きます。なんだか、サウナに「ありがとう」を伝えているような気分。

ただ、あまり長居しすぎると、次の日の仕事に響きそうなので、潔く切り上げることにします。でも、心の中では「また来るからね」って約束してます。

脱衣所での余韻

最後のシャワーを浴びながら、今日のサ活を振り返ります。背中から流れ落ちる水が、なんだか優しく感じられます。体が軽くなって、心もスッキリ。これぞ「ととのい」の極みかもしれません。

ドライヤーの音も、いつもより心地よく聞こえます。面白いのは、他のお客さんの表情。みんな穏やかで、どこか満足げ。時々目が合うと、自然と微笑みが交わされます。

着替えながら、ロッカーに貼ってあるポスターをぼんやり眺めます。フィンランドの風景写真とか、サウナのイベント情報とか。「あ、このイベント面白そうだな」なんて、もう次の来店を考えている自分に気づきます。

ただ、惜しむらくは鹿肉ソーセージを食べ損ねたこと。売り切れてたんですよね…。でも、それも次回の楽しみということで。次は絶対食べるぞ!なんて決意を固めながら、荷物をまとめます。

そうそう、受付で見かけた新作タオル。欲しかったなぁ…。でも今日は財布の中身と相談して、また今度にすることに。何度も来るつもりだから、いつか買えればいいや、なんて思います。

市役所前の夜風

サウナヘヴンを出る時、市役所前の風が心地よく頬を撫でていきます。さっきまでサウナパンツ姿で眺めていた市役所の窓が、今は夜の闇の中で優しく光っています。なんだか不思議な気分です。

深呼吸をすると、体の中まで空気が染み渡っていくのが分かります。サウナで整った体は、外の空気をより敏感に感じ取れるみたい。蚊取り線香の香りも、かすかに漂ってきます。

面白いのは、この時間の市役所前って、意外と人通りがあること。終業後の市役所職員さんとか、近所の人とか。みんな、サウナから出てきた私の姿を見て、ちょっと微笑んでくれます。きっと「ああ、天国からの帰り道だね」って分かるんでしょうね。

夜風に吹かれながら、ふと思います。この風って、さっき外気浴で感じた風と同じなのに、なんだか違って感じる。たぶん、それだけサウナで感覚が研ぎ澄まされているんでしょうね。

ただ、あまり長居すると体が冷えそうなので、そろそろ駅に向かわないと。でも、この心地よさをもう少しだけ味わっていたい気持ちもあって。なんだか複雑です。

草加駅までの帰り道

駅までの道のり、昼間来た時とは全然違う雰囲気です。街灯の明かりが優しく道を照らしていて、なんだかノスタルジックな気分になります。

途中、煎餅屋さんの前を通ります。もう閉まっているけど、かすかに煎餅の香ばしい香りが。「ああ、そうだ、煎餅買おうと思ってたんだった」って、ちょっと後悔。でも、また来る理由が一つ増えたと思えば、それも悪くないかな。

駅に近づくにつれて、人通りが多くなってきます。サラリーマンの人たちが、疲れた表情で歩いています。そんな中、整ってふわふわな気分の自分。なんだか申し訳ない気持ちになります。でも、この人たちもサウナに来ればいいのに…なんて思ってしまいます。

電車の時刻表を確認すると、ちょうど良い時間の電車がありました。ラッキー。でも、ちょっと急がないと。心は天国のままなのに、足は現実世界のスピードで動かさないといけない。この違和感が、なんだか面白いです。

そうそう、帰りの電車で寝過ごさないように、アラームをセットしておかないと。都内まで30分。結構な距離なんですけど、このサウナのためなら、全然苦にならないんです。不思議ですね。

電車の中での振り返り

電車の中で座席に座ると、急に今日の出来事が走馬灯のように蘇ってきます。7段の階段状ベンチを上っていった時の緊張感、水風呂でびっくりした12度の冷たさ、外気浴でのんびり過ごした贅沢な時間…。

窓に映る自分の顔が、なんだかいつもより穏やかに見えます。髪は少しくしゃっとしているけど、それも心地よい。サウナ上がりの特別な表情って、あるんですよね。

車窓の景色を眺めながら、さっき聞いた「キートス」という言葉を心の中で繰り返しています。フィンランド語なんて全然知らないのに、この言葉だけは自然に口から出てくるようになっていました。不思議なものです。

ふと、隣の席の人が新聞を読んでいます。草加市の記事が目に入って、つい「あ」って声が出そうになりました。さっきまであの市役所の前にいたんだなぁ…なんて。何度か行ったことのある街なのに、今日はなんだか特別な場所に思えます。

そうそう、スマホのメモ帳に、今日体験したことを書き留めておかないと。ロウリュの種類とか、気持ちよかった場所とか。次に来る時の参考になりそうです。でも、書いているうちに眠くなってきました。ああ、寝過ごしそう…。アラーム、ちゃんとセットしたっけ?

また来たくなる理由

電車が揺れる中、なんで草加のサウナにまた来たくなるんだろうって考えてみます。設備は最新じゃないかもしれないし、都内から考えたら結構遠いんです。でも、なんだかまた行きたくなる。

一つは、やっぱりスタッフさんたちの温かさかな。みんな本当にサウナが好きなんだなって感じが伝わってきます。一人一人のロウリュに個性があって、それを見るのも楽しみの一つ。

それと、お客さん同士の距離感も絶妙です。黙浴が基本なのに、なんだか温かい空気が流れているんです。「キートス」って言葉だけで、気持ちが通じ合える感じ。

あと、毎回新しい発見があるんです。今日は階段状ベンチの5段目まで行けたけど、次は6段目に挑戦してみたいな。鹿肉ソーセージも食べてみたいし。ハイボールも気になるな…。あ、でも運転があるときは飲めないか。

結局、ここって「天国」って名前の通り、現実世界から少し離れた特別な場所なんですよね。日常の疲れを癒すだけじゃなくて、なんだか心も洗われるような。そんな場所に、また行きたくなるのは当然かもしれません。

天国の評価

フィンランド式サウナの真髄

このサウナヘヴン草加、本当にフィンランドの公衆サウナを意識して作られているんだなって感じます。まあ、私はフィンランドに行ったことないんですけど…。でも、なんとなくそんな雰囲気が伝わってくるんです。

特に素晴らしいのは、サウナ室の設計です。中央のikiストーブを囲むように作られた座席配置、7段階の階段状ベンチ、そして奥のくつろぎスペース。これって、ただ熱を味わうだけじゃなくて、サウナという空間を楽しむための工夫なんですよね。

ロウリュの文化も本格的です。出る時に一杯だけロウリュをする習慣とか、30分おきのロウリュサービスとか。特に面白いのは、ロウリュの後に「キートス」って言い合う習慣。これって、サウナを通じたコミュニケーションの形なんだなって思います。

換気システムも秀逸です。床近くの隙間から新鮮な空気が入って、それが熱せられて上昇していく。この自然な空気の流れのおかげで、94度という高温なのに、息苦しさを感じないんです。

ただし、お風呂がないのは、日本のサウナ文化からすると少し物足りないかもしれません。でも、それもフィンランドスタイルなんでしょうね。サウナに特化することで、より深い体験ができる。そんな考えなのかな。

スタッフたちの温かさ

スタッフの方々の対応って、このサウナの大きな魅力の一つだと思います。受付での丁寧な説明から、ロウリュの時の心配りまで。みなさん、本当に温かいんです。

特に印象的なのは、初めての人への対応。私も最初は緊張していたんですが、スタッフさんの優しい説明のおかげで、すぐにリラックスできました。サウナパンツの使い方から、水の飲み方まで、細かく教えてくれるんです。

ロウリュを担当するスタッフさんたちも素晴らしい。単にロウリュをするだけじゃなくて、その日の気温や湿度に合わせて調整してくれたり。時には「今日は暑いので、無理せず楽しんでください」なんてアドバイスもくれます。

面白いのは、スタッフさんたち同士の関係性。和気あいあいとしているんですが、でも決して騒がしくならない。この絶妙なバランス感覚が、お客さんにも良い影響を与えているような気がします。

ただ、人気のロウリュの時間は混み合うので、スタッフさんも大変そう。でも、そんな時でも笑顔は絶やさない。この接客の質の高さは、本当に見習いたいところです。

設備の細部へのこだわり

サウナヘヴンの魅力は、細部へのこだわりにあると思います。例えば、下駄箱とロッカーと小物入れの番号が全部同じなんです。これ、すごく便利なんですよね。他のサウナだと、いろんな番号を覚えなきゃいけなくて。

サウナマットの質も抜群です。程よい厚みがあって、座り心地が良いのはもちろん、滑り止めもしっかりしてる。階段状のベンチで滑ったら危ないですもんね。

外気浴スペースの椅子の配置も絶妙です。適度な間隔があって、でも孤立感は感じない。扇風機の位置も計算されていて、風が均等に当たるように工夫されています。

ドライヤーは、見たことのない特殊なタイプ。風量が強くて、でも音は静か。これ、どこで見つけてきたんでしょう?気になります。

給水スポットにある岩塩とか、蚊取り線香の設置とか。一つ一つは小さな工夫なんですが、それが重なって特別な空間を作り出しているんです。

アクセスの良さ

草加駅から徒歩5分って、実は結構すごいことだと思います。駅から近いサウナって、意外と少ないんですよね。東京から電車で30分くらい。ちょっと遠いような気もしますが、この施設のクオリティを考えれば、全然許容範囲です。

しかも、道順が分かりやすい。市役所が目印になるので、初めての人でも迷いにくいんです。私、方向音痴なんですけど、全然迷わずに着けました。

夜遅くまで営業しているのも、アクセスの良さの一つかなって思います。仕事帰りに寄れるのって、すごく大事ですよね。21時まで営業しているので、都内で仕事してても十分楽しめます。

ただ、最終電車の時間は要注意。あまりにも気持ちよくて、ついつい長居してしまいそうになります。私も何度かヒヤッとしました。でも、それも含めて楽しいんですよね。

あと、草加って煎餅で有名じゃないですか。サウナの前後に観光気分も味わえるの、これまた良いポイントだと思います。

価格設定の妥当性

2時間1500円という価格設定、実はかなりリーズナブルだと思います。確かに、一般的な銭湯より高いかもしれません。でも、このクオリティを考えると、むしろ安い位じゃないでしょうか。

30分おきのロウリュサービスがあって、この設備が整っていて、しかもこの価格。サウナー冥利に尽きます。1.5時間コースなら1400円、平日15時台限定で1時間1000円というのも、使い分けができて良いですよね。

サウナパンツのレンタルは200円。まあ、必須なので実質1700円って考えても良心的。外気浴ができないサウナよりも、全然満足度は高いです。

鹿肉ソーセージとかハイボールとか、オプションで楽しめる要素もたくさんある。でも、基本料金だけでも十分満足できる。これって、すごく大事なことだと思うんです。

ただ、回数券とかあったら嬉しいかも…なんて思ったり。でも、それは欲張りすぎですかね。

これからのヘヴンへの期待

オープンしてまだ1年も経っていないのに、既にこんなに素晴らしい施設。これからどんな進化を遂げていくのか、楽しみでしょうがないです。

時々、新しいロウリュプログラムが増えたり、アロマの種類が増えたり。少しずつですが、確実に進化を続けているのが分かります。スタッフさんたちも、日々研究を重ねているみたいですしね。

個人的には、もっとイベントとかあっても面白いかなって思います。例えば、フィンランドの文化を紹介するイベントとか。でも、今のこの落ち着いた雰囲気も大切にしてほしい。

あと、鹿肉ソーセージの品切れが少なくなるといいな…なんて。人気メニューだから仕方ないんですけどね。

これからもきっと、サウナーたちの「キートス」の声が絶えることはないんだろうなって思います。この天国が、もっともっと素敵な場所になっていくのが楽しみです。

ABOUT ME
大塚誠也
大塚誠也
おおつか せいや

サウナ大好きサラリーマン。
外回り中、仕事帰りにサウナを巡っています。
サウナ上がりのオロポとおいしいご飯が大好物
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